実はアブナイ“食欲の秋”! 糖質を上手にコントロールして血管を健康に。

食べて健康!私のCHOICE Vol.2


『世界一受けたい授業』などのテレビ番組や健康をテーマにしたさまざまな著書で知られるスーパードクター・小林弘幸先生による、好評企画第2弾! 今回は“食欲の秋”に潜む、危険な糖質過剰摂取について、語ってもらった。
。昭和62年、順天堂大学医学部卒業。平成4年同大学院博士号取得。平成18年 順天堂大学総合診療
おいしい炭水化物に潜む「糖」

「食欲の秋とはいいますが、食欲が増すとご飯やラーメンなど炭水化物を多く摂取しがちです。炭水化物といえば糖質。糖質を過剰摂取してしまうと、体にさまざまな悪影響を及ぼします。一番大きいのは、疲労ですね。近年、糖質制限が注目されていますが、目的は、いかに血管へのダメージを抑えるかというところがポイントになっています。糖質を過剰に摂取して代謝しきれなかった糖の影響で血液がドロドロになってしまうだけでなく、そのドロドロの血液が血管にダメージを与え続ければ、やがてはさまざまな病気につながる恐れが出てくるわけです。逆にいえば、良い血液を流してあげれば、血管へのダメージも抑えられるし、体の疲労も回復しやすくなります。それには、糖を取りすぎないという意識が大切。普段から、糖を取りすぎると体にダメージを与える、体にとって大きなストレスになるんだという意識を持っていることが大切だと思います。普段の日常生活で、きちんとそれを意識している人は意外と少ないのではないですか。たくさんお酒を飲んだ後にシメのラーメンを食べる、という人もいるでしょう。アルコールもラーメンも結局は糖質ですからね。糖の過剰摂取になるわけです。若いころは血管も強いし代謝も良いですけど、40代に入ったら、無茶ですよ(笑)」


美容健康を保つ糖質の取り方

「忙しいから出来合いのものを買って食べるとか、どうしても甘いものが食べたいとか、そういうことは誰だってあるでしょう。医者の僕だって、お昼をカップラーメンで済ませることはよくあるし、コンビニでシュークリームをよく買って食べているし(笑)。それでも、糖質を過剰摂取しないように、工夫することはできるんです。まずはやはり量を抑えること。コンビニや外食するなら糖質控えめのメニューをチョイスする。スイーツは半分だけ食べる、といった具合です。先に野菜を食べて急激な血糖値の上昇を抑えるのもいいですね。炭水化物を食べるときでも食物繊維を一緒にとれば、消化も良くなりますし糖を溜めこみにくくしてくれます。食物繊維はいくら食べてもいいので、合わせて取るようにしたいですね。あとは、食事の時間と摂取量に気をつけること。よく、夕食抜きダイエットなんて聞きますが、食事の時間が空きすぎると、次に食事をとったとき血糖値が急激に上がるのでかえってよくないんです。これでリバウンドをしてダイエットに失敗する人は少なくありません。よく、今日は夜に焼き肉を食べに行くから昼はごはん抜き、なんてする人がいますが、そんなときこそ朝昼をしっかり食べたほうがいい。要は、1日3回、バランスよく食べることが大事。夕食は抜くのではなく、控えめにしたり、早めに食べるのが一番いいです。早めに夕食を済ませる習慣をつけるだけでも、それなりにダイエットになりますよ。腸を休ませつつカロリーはとれますから。逆に過度な節制をするダイエットは血管にもダメージになりますし、かえってやせにくい体を作りかねないので注意してほしいですね。一般的に健康な人でもカロリーを意識する人は多いですけど、糖質を意識する人はまだまだ少ないですよね。でも健康な血管を保つためには、糖質の摂取量を意識することが非常に重要です。いかに血管を維持するかが、その後の健康を大きく左右しますから」

 油断しているとつい摂取しすぎてしまう糖質。小林先生のアドバイスを参考に、過剰摂取をしないよう日常的に摂取量を意識してみては。
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