「土曜朝の起きる時間」を変えるだけで認知症予防に?

予防医学研究者の石川善樹氏
認知症予防のかぎは「土曜の朝」?

 日本人が一番気になる病気「認知症」にならないためにはどうしたらよいのか。予防医学研究者であり、企業や組織の健康づくりを支援する株式会社Campus for H共同創業者の石川善樹氏によると、「認知症のリスク因子には生活習慣病があり、生活習慣を整えるには“睡眠”が鍵となる」という。

 睡眠不足は身体活動の不足や食生活の乱れを生み、それらが間接的に生活習慣病に繋がると石川氏は指摘する。生活習慣の改善は一見難しいことに思えるが、実はそれを整えるのは、「土曜日も平日と同じ時間に起きること」だとした。よく平日に休めなかった分を、休日にゆっくり過ごすことで解消したいと「寝だめ」する人がいるが、実は起きる時間を遅くすることで、体内で時差が生じていると認識する「社会的時差ボケ」を生んでいるという。

 石川氏いわく、その結果、月曜日も調子が悪く、それは水曜日まで影響するなど数日に及ぶ。これらを解消するには、食事の時間帯や分量、就寝時間など、いわゆる「キーストーン・ハビット(要の習慣)」を知り、変えることで、意外にもあっさりとできるという。

「土曜日の朝、いつもと同じ時間に起きるだけで生活習慣が整い、規則正しい生活をすることができます。そうすることで認知症の不安を少しでもなくすことができるでしょう」と、石川氏は提唱した。

 人生100年を生きるには、特別なことをするのではなく、日常生活で見落としがちな「規則正しい生活」に鍵があるようだ。皆さんもやってみては。
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