テレワークで腰痛持ち、肩痛が増加! “外科手術以上”の異名を誇る理学療法士がセルフケアを伝授



「注意点を挙げるなら、炎症してる最中はストレッチを含め、無理に動かすことは控えた方がいいでしょう。組織を修復する過程で、炎症は起こります。「体を動かすな」という危険信号でもある。新しい血管を作っている最中に動かしてしまうと、また切れてしまい、再度作り直すということになってしまう」(沖倉先生)

炎症がそろそろ終わりに向かっている――、自分で自覚するにはどうすればいいのか?

「じっとしていても痛い、これが一番わかりやすい炎症のサインです。また、熱感や痛み、発赤(赤み)も炎症のサインとして挙げられます。これからがなくなれば炎症は収まっていると判断していいでしょう。大体、1~2週間経てば炎症は治るのですが、以降も慢性的な痛みを伴うなら癒着しているので危険信号ですね。 しかるべき対処が必要でしょう」

沖倉先生の施術は、肩の痛みを和らげるために、肋骨の可動域を広げる施術などを他の箇所を含めて行う。いわば、先のセルフエクササイズの超アップグレード版だ。力点と作用点ではないが、患部の痛みに連動している他部からほぐして施術するため、体の仕組みを勉強しているような気分になる。「あ、ここも関係しているんですか!?」と。

「従来の治療法は、表層から深部に向けて力を入れて施術します。ですが、私はまったく逆で深部から表層に向けて力を入れます。表層をほぐすと一時的に軽くなった気がしますが、痛みの根幹である最深部の硬結は何も変わりません。この硬結を解放させないことには、痛みはなくなりません」(沖倉先生)

こういった痛みを除去する一つの方法としてハイドロリリース(筋肉注射)が挙げられる。生理食塩水に麻酔薬を混ぜ、筋膜へ注入して癒着を剥離する治療法で、可動性が悪くなった癒着した箇所に滑走性を作り出すことで痛みや痺れを軽減する。

だが、「六層連動操法」と名付けられた沖倉先生のアプローチは、施術によってハイドロリリースと同等の効果を生み出すという。厳格な臨床試験で科学的エビデンスを取得したというから驚きだ。

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