ダニエル・ラドクリフも…目玉がえぐられるような激痛「群発頭痛」とはどんな病気?

 ロックバンド「サカナクション」の山口一郎、フジテレビの森本さやかアナウンサー、海外では映画『ハリー・ポッター』シリーズで知られる俳優のダニエル・ラドクリフなどが悩まされている「群発頭痛」。一説には世界3大激痛と呼ばれるほど、激しい痛みが起こる「群発頭痛」とはどのような病気だろうか? 公益社団法人東京都医師会の目々澤肇先生に解説してもらった。



世界3大激痛と呼ばれるほど激しい痛みが起こる「群発頭痛」(画像はイメージです)

「群発頭痛」とはどんな病気?


「群発頭痛」は、就寝中などに目の奥がえぐられるように痛み、一度症状が出ると一定の期間毎日同じ時間に症状が現れるようになります。片側の目が充血し、涙や鼻詰まり、鼻水を伴うことも多いです。また「群発頭痛」とは、症状が繰り返される慢性頭痛のひとつでもあります。


「群発頭痛」の原因は?


「群発頭痛」は脳疾患が原因の頭痛ではなく、神経ペプチドの一種であるオレキシン(ヒポクレチン)や神経伝達物質のセロトニンが関与していると言われますが、はっきりした原因は分かっていません。脳内の血管には側頭動脈、内頸動脈、椎骨動脈と3系統あるのですが、そのうち目の奥を通る内頸動脈が「群発頭痛」に深く関わっていると言われています。片頭痛では前兆として脳の血管が収縮、その後拡張して同時に血管周囲に炎症が起こり、そこにセロトニンのほかオレキシンなどの物質が関与して激しい頭痛となります。「群発頭痛」でも、同じようなメカニズムが内頸動脈系を主体に発生しているのではないかと考えられます。


「群発頭痛」の症状は?


 2〜3年に一度発症し、発症すると1〜2カ月ほど毎晩繰り返されます。痛みのあまりじっとしていられず、家中を歩き回ったり自傷したいほどの衝動にかられるケースもあるようです。片頭痛は女性に多いのですが、「群発頭痛」は20〜40歳の男性が多く発症し、高齢になると自然に収束すると言われています。



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