アミノ酸にカテキン。活況呈するコロナ対策研究、多方面から知見集まる
長引く新型コロナウイルスの感染拡大で終息が見えない中、いま各所で研究や商品開発が盛んだ。毎日の食事や生活習慣で取り入れられるものも多く、感染予防をする上で、意外な発見もある。各社・研究機関が力を入れるコロナ対策関連の商品を調べてみた。
天然のアミノ酸「5-ALA」
エステサロン向け化粧品を販売するヤマノビューティメイトグループは5月、アミノ酸の「5-ALA(5-アミノレブリン酸)」を主成分とするサプリメントを発売した。「5-ALA」とは、ヒトや動物、植物の細胞内で作られている天然のアミノ酸で、肉や魚、ワインなどの食品中にも含まれている。高い安全性と機能性を備えていることから、10年ほど前から健康食品や肥料、化粧品などに活用されてきたが、今年2月、国際学術誌に掲載された長崎大学の論文で、ヒトが体内に持っている天然の5-ALAが、新型コロナウイルスに対し、強い感染抑制効果があるとの結果が示されたことで、一躍注目が集まった。
長崎大の論文によれば、ウイルス表面のキノコのような突起「スパイクタンパク質」に、5-ALAから生成される「ヘム」や「プロトポルフィリン」が結合することで、ウイルスの侵入を防ぐことや、5-ALAの抗炎症作用によって、重症患者に起こる、免疫の暴走「サイトカインストーム」を抑えることが期待されているという。
今後、5-ALAの物質特許を対象とした独占的なライセンス許諾を受けたSBI アラプロモと、ヤマノビューティメイトグループと関係している、琥珀バイオテクノロジー社のオリジナル健康素材である「琥珀健寿エキス」を配合した商品の開発も検討されており、期待が寄せられる。