新型コロナウイルス「PCRセンター」設置へ 東京都医師会が発表

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、公益社団法人東京都医師会は17日に緊急記者会見を開き、都内の地区医師会と連携してPCR検査を受診できる「PCRセンター」を新たに設置する意向を発表した。
「PCRセンター」について説明する東京都医師会の角田徹副会長
 感染症担当の角田徹副会長は「国の示したフレームである帰国者・接触者相談センター、そこから紹介される帰国者・接触者外来がまったくオーバーフローしていることはご存知の通り。私どもが地域で診察したうえで、PCR検査が必要と思われた患者さんですらなかなか検査できない状況でした」と説明。そこで東京都医師会では都内の47の地区医師会に対し、地域の行政と医師会が一体となった「PCRセンター」設置への働きかけを行った。

 新型コロナウイルス感染症が疑われる場合は、まず地域のかかりつけ医を電話相談の後に受診。そのうえで感染の可能性が否定できない場合は、地域の「PCRセンター」を紹介され、PCR検査を受けられるシステムを確立する。角田副会長は「かかりつけ医で行う重要なポイントは2つ。ひとつは新型コロナウイルス感染症の可能性があるかどうかの診察、もうひとつは肺炎等の重症化の所見があった際に、入院等が必要な場合の次の医療機関への紹介を含みます。私ども開業医はできる検査を行い、通常の市中肺炎か新型コロナウイルス感染症による肺炎の可能性があるかを見極めたうえで、PCRセンターや次の医療機関に紹介する」と、「PCRセンター」が設置された際の受診の流れについて解説した。

 今後すべての地区医師会での「PCRセンター」開設を目指し、近日中に10ヵ所程度の「PCRセンター」が設置される。「PCRセンター」での検査結果は翌日夕~夜にかかりつけ医に知らされ、かかりつけ医から電話等で本人に通知。検査結果が陽性の場合には、かかりつけ医から保健所に報告され、原則は入院ないし宿泊療養となる。また、新規感染者数の増加によって自宅療養となった際にも、かかりつけ医による経過観察が行われるという。