新しい除菌方法の選択肢 注目の「微酸性次亜塩素酸水溶液」とは?【withコロナ】

 新型コロナウイルス感染症による「緊急事態宣言」が全国で解除され、感染拡大を予防しながら社会経済活動を行う「新しい生活様式」がスタートした。有効なワクチンや治療薬ができるまでは試行錯誤の日常生活が続くが、家庭や職場での除菌方法の選択肢として注目される「次亜塩素酸水」とはどのようなものなのか、微酸性次亜塩素酸水溶液「Uroom(ウルーム)」を取り扱う株式会社DMIの島田延幸代表取締役に聞いた。
株式会社DMIの島田延幸代表取締役(撮影:蔦野裕)
 アルコール消毒液の不足による除菌方法の選択肢として「次亜塩素酸水」が話題を集めています。そもそも「次亜塩素酸水」とはどのようなものですか?

島田延幸(以下、島田)「次亜塩素酸水(Hypochlorous Acid Water)とは、平成14年6月に政府が食品添加物として指定した次亜塩素酸を主成分とする水溶液です。当時の厚生労働省からの発表によると、微酸性次亜塩素酸水については各種殺菌剤との比較試験によって次亜塩素酸ナトリウム等と同等以上の殺菌効果が得られ、残留性も低いために食品中の栄養成分に及ぼす影響は水道水処理等と比較しても同等であった、と報告されています。医療機関や食品加工業の工場などには次亜塩素酸水の生成機があり、もともと高度な衛生管理が求められる現場で使われていました。

 厚生労働省の検証では、次亜塩素酸水は細菌、真菌、ウイルスに有効だというエビデンスが出ていて、アルコール消毒液に高い抵抗力を持つノロウイルスにも有効とされています。また、40ppmの濃度でインフルエンザウイルスへの抗ウイルス活性も認められており、インフルエンザウイルスと同じエンベロープウイルスである新型コロナウイルスにも有効な可能性があると期待されています。

 先日発表された経済産業省による新型コロナウイルスへの有効性評価では、テストで使用された次亜塩素酸水のうち、一部ではその効果が認められましたが、ウイルスに対する次亜塩素酸水の容量比率が低かった製品では効果を確認できなかったため、残念ながら今回の発表では有効性を認められませんでした。改めて容量比率の高い製品で再検証を行うそうですので、今後の次亜塩素酸水における厳格な製品規格が明確化されることに期待しています」

 「Uroom」は「微酸性次亜塩素酸水溶液」とのことですが、その他の次亜塩素酸水と何が違うのでしょうか?

島田「微酸性次亜塩素酸水溶液は生成水のすべてが除菌水で、飲み物ではありませんが、万が一誤飲してしまっても影響がないほどの水質です。有機物に触れると除菌するという特性があり、残留物がほとんど残らない水に近い性質になります。

 次亜塩素酸水は有効塩素濃度が高くたくさんの量を使うほど効果が期待できますが、『Uroom』は有効塩素濃度を400ppmまで高めてあり、ご家庭でさまざまなシーンに合わせて濃度を調整して使用することができます」
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