今見るべき舞台『出てこようとしてるトロンプルイユ』ヨーロッパ企画

 かつてはSF的なシチュエーションの中で巧妙に伏線を張り巡らせた会話を展開するコメディを得意としていたヨーロッパ企画。しかし映画化された『サマータイム・マシンブルース』以降は会話より構造で見せる笑いへシフトチェンジ。
 最近では「迷路コメディ」「ゲートコメディ」というように物語性よりも「企画性」に重点を置いた作品が多くみられるようになっている。

 とはいっても、もともとの会話の妙とか物語性をおろそかにしているわけではなく、企画性はあくまでプラスオン。それは昨年上演された『来てけつかるべき新世界』で作・演出の上田誠が第61回岸田戯曲賞を受賞していることでも明らか。

 今回はだまし絵をめぐる「だまし絵コメディ」。トロンプルイユというのはだまし絵のことだそう。これまでの作品の中でも予想のつかなさでは群を抜く?

 関東エリアでは東京公演のほかに横浜公演(11月16〜19日、KAAT芸術劇場 大スタジオ)もある。

ヨーロッパ企画『出てこようとしてるトロンプルイユ』
【日時】10月20日(金)〜29日(日)(開演は平日19時、土13時/18時、日13時。木曜は14時の回あり。火曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)
【会場】本多劇場(下北沢)
【料金】全席指定 前売4500円、当日5000円/学生シート(前売のみ)3000円 (入場時要学生証提示)
【問い合わせ】サンライズプロモーション東京(TEL:0570-00-3337=全日10〜18時[HP]http://www.europe-kikaku.com/projects/e36/
【作・演出】上田誠
【音楽】滝本晃司
【出演】石田剛太、酒井善史、角田貴志、諏訪雅、土佐和成、中川晴樹、永野宗典、西村直子、本多力/金丸慎太郎、川面千晶、木下出、菅原永二