日曜劇場「JIN―仁―」

このドラマが見たい!

春の連続ドラマのスタート時期になった。今クールも、各局がバラエティーに富んだ作品群を準備しているが、そのなかでも17日スタートの日曜劇場『JIN―仁―』(TBS系、17日午後9時スタート)は、高い注目を集める作品のひとつ。2009年10月に、大沢たかお主演で放送され、視聴者の熱望によって続編が決定した経緯もあり、オンエア以前から大きな期待が寄せられている。

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仁が追求した「今、自分にできること」

 現代の脳外科医が江戸時代の江戸にタイムトリップしてしまう話。よくある時空旅行ものであれば、主人公は元の場所へ戻るためにもがくというのが筋。しかし、この作品においては主人公はトリップ先でただ手をこまねいているだけではない。病や大怪我に苦しむ人々を見て、医者である彼は「現代であれば救えるのに」という憤りを感じつつ、現代と比べて技術も設備も限られた環境の下で、現代の医学知識と当時の技術や考え方を取り入れ、時には道具や医薬品を開発しながら、人々を救っていく。

 仁は、自分が治療することで歴史を変えてしまうかもしれないと危惧しながらも、結局は目の前の患者を助ける選択をしてきた。どうしてそうしたのかといえば、きっとそれがその時の彼にできることだったからだろう。

「今、自分にできること」は何なのか―。それは、甚大な被害をもたらした東日本大震災によって、今この瞬間も日本中が考えていることだ。今回の『JIN―仁―』も、前作同様、いろいろなエピソードを通じ、違った観点から私たちが抱える問題について考えるヒントを与えてくれそう。そのことからも、決して見逃せないドラマになりそうだ。

続編にして完結編! すべての謎が解決する

 今回は、仁が幕末時代に迷い込んでから2年の月日が経った設定。17日の初回放送では、落ち込んだ咲の様子が気になった仁が咲の実家を訪ね、咲の母の栄(麻生祐未)が脚気を患っていることが判明する。仁を手伝うために縁談を破談にした咲をまだ許せない栄は、仁に治療をさせないが、仁は助けようとして手を尽くす。それに並行して、仁に助けを求めて坂本龍馬が京から江戸にやってくる。

 公式ウェブサイトによれば今回が、完結編。それにともなって、前作のエンディングにおける仁の頭の痛みや、仁が現代に戻れるのか否か、現代における仁の恋人にそっくりな元花魁の野凪のその後、そして咲の切ない恋の行方なども明らかになるという。時代のうねりに巻き込まれながらも、「今、自分にできること」を貫く仁、そして彼を取り巻く人たちの姿に、また感動させられそうだ。

 放送は、TBS系にて17日午後9時からスタート。初回のみ2時間5分の拡大版となる。詳細は、(http://www.tbs.co.jp/jin-final/)で。

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文部科学省・厚生労働省・日本医師会とのプロジェクトが始動

 いよいよ完結編を迎えるドラマ『JIN―仁―』は今回、ドラマの中に留まらず、文部科学省・厚生労働省・日本医師会と取り組むプロジェクトをスタートさせた。「現代(いま)なら守れる」をテーマに、感染症排除啓発のキャンペーンを共同で推進していくもので、第1弾として麻しん(はしか)の排除計画として、予防接種を推奨するポスターを制作、全国の病院や保健所、学校、行政関連施設に配布・掲示されている。  ドラマの前作で、現代でなら治すことができる感染症のコレラと闘った仁。このキャンペーンでは、予防をしっかりすれば、現代ならば感染症から自分を守れるのだというメッセージを届ける。