新国立劇場演劇公演『雨』

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 昨年急逝した井上ひさし氏の傑作『雨』を栗山民也の新演出で上演する。この作品は約35年前に書かれ、五月舎からこまつ座へと受け継がれ、今まで482ステージ、すべて木村光一の演出で上演された。今回は生前、井上氏が直々に栗山を指名したという。

 時代は江戸。東北は平畠の「紅屋」の婿である喜左衛門とうり二つと言われた金物拾いの徳は、喜左衛門になりすまして大金を手に入れようとする。しかし北上するうちに言葉(方言)の様子が変わってきたことに戸惑いを隠せない。喜左衛門のことを何一つ知らず、他人になりすますことなどできないとあきらめかけた徳だったが、結局記憶を失ったふりをして村人たちの輪に入っていくのだった。

 色と欲に目がくらんで東北へ旅立ち、他人になるために方言を会得し、やがて大きな謀略に飲み込まれていく男の姿を通じて“人間と言葉”“中央と地方”といった骨太なテーマを問う。

 徳に市川亀治郎、喜左衛門の妻・おたか役に永作博美。

【日時】〜6月29日(水)(開演は月水土日13時、火木13時/18時30分、金18時30分。15・22日休演。開場は開演30分前) 【会場】新国立劇場 中劇場(初台) 【料金】全席指定 S席7350円/A席5250円/B席3150円/Z席1500円(当日10時より劇場のみ) 【問い合わせ】新国立劇場ボックスオフィス(TEL:03-5352-9999 〔HP〕http://www.nntt.jac.go.jp/play/) 【作】井上ひさし 【演出】栗山民也 【出演】市川亀治郎、永作博美/梅沢昌代、たかお鷹、花王おさむ、山本龍二、山西惇、植本潤、酒向芳、金成均、石田圭祐、武岡淳一ほか