日韓共同制作公演『砂の駅』

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ソウル・国立KBハヌル劇場 ソウル・ワークインプログレス公演にて(撮影・JONGJIN LIM)

「転形劇場」「太田省吾」というキーワードから連想されるのは「沈黙劇」という言葉。

 沈黙劇という手法を生み出した太田の『水の駅』『地の駅』『風の駅』『砂の駅』は「沈黙劇4部作」と呼ばれ、その衝撃も含め、現在まで語り継がれる作品となっている。

 文字通り、俳優は台詞を発しない。非常にゆっくりとした動きと表情で物語を表現していく。ある意味、舞踏のようでもあり、演劇の概念を覆す作品でもあった。

 今回、韓国を代表する女性演出家であるキム・アラの手によって、再びこの作品が上演されることとなった。アラは1988年に韓国で『水の駅』を目の当たりにし、91年の来日時に太田と出会い、その作品観に共感し、その後も交流を続けた。太田は2007年に肺がんで没するのだが、アラは沈黙劇に挑戦することを決意。2009年にソウルで『水の駅』『風の駅』を連続上演。そして今回の『砂の駅』上演となった。日本公演に先駆け、10月には韓国のソウルとプサンで上演。現地でも高い評価を得ている。

 さまざまな方法論を探った末にたどりついた沈黙劇という形態。2011年の今、どのように進化した形の沈黙劇を見せてくれるのか期待が集まる。また転形劇場の中心役者だった、大杉漣、鈴木理江子、品川徹、初演に出演した舞踏家・上杉満代が出演。当時に比べ多くの経験を経た彼らがどんな沈黙劇を見せてくれるのかも注目。

【日時】11月3日(木・祝)〜6日(日)(開演は木・金19時30分、土13時30分/18時、日14時。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】世田谷パブリックシアター(三軒茶屋) 【料金】全席指定 一般 S席6000円/A席4000円 【問い合わせ】NPO法人魁文舎(TEL:03-3275-0220 〔HP〕http://www.kaibunsha.net/) 【原作】太田省吾 【演出・構成】キム・アラ 【出演】大杉漣、鈴木理江子、上杉満代、品川徹/ペク・ソンヒ、クォン・ソンドク、ナム・ミョンニョル、クァク・スジョン、ペク・ウンジョン、ソン・ギョンスク、キム・ジソン、オ・ソンテク、イム・ヒョンソプ、チョン・ハヌイ