サンプル『女王の器』

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写真・青木司「ゲヘナにて」

 サンプルの芝居は、まず劇場に行って舞台セットを見た瞬間にあぜんとさせられる。果たしてここでどんな演劇が展開されるのか? 役者はどこで演技をするのか?とか。そしてここ最近の作品では「物事の境界線の内と外」、「フィクションと現実の緩衝地帯」といった題材を扱い、見る側をおぼつかない気持ちにさせ、翻弄してきた。

 そこでは毎年、定期的に女王というものが選ばれていた。それは生け贄としての存在であり、生まれ変わりという意味合いも含まれるものであった。物語はその女王になる人と周囲の人々を群像劇的に描かれる。

 ここはどこなのか? 果たして物語の中なのか? そして私たちは観客なのか…といった感じで、「境界線」という概念をよりいっそう意識せざるをえなくなる演出が施されるという。

 見終わった後に、いろいろ考えることが出て来ると思うので、2人以上で来て、帰りの小田急線でお互いに確かめ合ったり、語り合うのもまた良し。

 ハイバイの岩井秀人(19日)、鉄割アルバトロスケットの戌井昭人(21日)などアフタートークも豪華なメンバーが揃っている。

【日時】2月17日(金)〜 26(日)(開演は平日19時30分、土19時、日14時30分。22日(水)と25日(土)は14時の回あり。20日休演。開場は開演20分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(新百合ヶ丘) 【料金】全席自由・日時指定 一般3500円/ユース(27歳以下) 3000円、高校生以下 2000円(ユースと高校生以下は公演当日に要証明書提示) 【問い合わせ】川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(TEL:044-955-0107 〔劇団HP〕http://www.samplenet.org/) 【作・演出】松井周 【出演】古舘寛治、古屋隆太、奥田洋平(以上サンプル・青年団)/野津あおい(サンプル)、岩瀬亮、羽場睦子、稲継美保、川面千晶、菊池明明、とみやまあゆみ、師岡広明