新国立劇場『まほろば』

ph_stage0100.jpg

撮影・谷古宇正彦

 2008年に新国立劇場で上演された「シリーズ・同時代」は、同劇場初登場の若手劇作家の作品をベテラン演出家が手掛けるというコラボレーション企画。3作が上演されたのだが、ベテラン、若手それぞれが新たな一面を見せ、舞台上ではそれまでとはひと味違った風景が流れた。

 なかでも蓬莱竜太は、それまでの男ばかりの骨太の戯曲から一転、出演者が女性だけという脚本に取り組んだ。そして女性視線で「家族」の温かさ、「生命」への慈しみを描き切り、翌年発表の岸田戯曲賞を受賞した。その『まほろば』が待望の再演となる。

 物語の舞台は、とある田舎町の祭りの夜。東京で一人暮らしを続けるミドリが久しぶりに実家に帰郷したところから始まる。気がつけば40代、いまだ独身のミドリに「本家の血を絶やす気か!」と怒る母。そんなやり取りのなか、行方不明だったミドリの姪が突然帰ってきて…。

 田舎の古い慣習から逃れられない母、自由奔放な妹、妹以上に奔放なその娘…。世代も立場も違う6人の女の物語。

【日時】4月2日(月)~15日(日)(開演は2・6・13日19時、3・9・10日14時、4・12日14時/19時、7・14日13時/17時30分、8・15日13時。5・11日休演。開場は開演30分前。当日券は10時から) 【会場】新国立劇場 小劇場(初台) 【料金】全席指定 A席5250円、 B席3150円、Z席(当日10時より劇場窓口のみ)1500円 【問い合わせ】新国立劇場ボックスオフィス(TEL:03-5352-9999 〔HP〕http://www.nntt.jac.go.jp/play/) 【作】蓬莱竜太 【演出】栗山民也 【出演】秋山菜津子、中村たつ、魏涼子、前田亜季、大西風香、三田和代