STAGE 東京芸術劇場リニューアル記念『マシーン日記』

 昨年9月にリニューアルオープンした東京芸術劇場。これまでリニューアル記念としてさまざまな作品が上演されてきたが、最後を飾るのがこの作品。1996年初演の言わずと知れた松尾スズキの代表作だ。

 当時、大人計画の主宰としてさまざまな話題作、問題作を発表していた松尾の初めての外部への書き下ろし作ということで大きな話題を呼んだ。翌年、2001年と再演を重ねたのだが、今回は実に12年ぶりの再演となる。

 舞台は小さな町工場。登場人物は工場を営む兄アキトシと、ある理由から兄に監禁されている弟ミチオ、兄の妻サチコ、彼女の元・担任で工場にパートとしてやってきた女ケイコの4人。設定から展開から何から何まで突拍子もなく、過激で不条理な物語が繰り広げられる。松尾作品ならではの暴力、差別、悪意といったキーワードが渦巻くものなのだが、なぜか共感度は高い。

 もともと片桐はいり主演の公演への書き下ろしとあって、過去3回とも片桐がケイコを演じていたのだが、今回はキャストを一新。ケイコをナイロン100℃の峯村リエが演じる。またサチコを演じる鈴木杏は松尾スズキ作品初参加。ちょっと意外な感じ。そしてとても魅力的な遭遇。
 東京の後は新潟、北九州、パリでも公演される。

【日時】3月14日(木)〜31日(日)(開演は平日19時、土14時/19時、日14時。※水曜は14時の回あり。月曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演の1時間前)【会場】東京芸術劇場 シアターイースト(池袋)【料金】一般5500円、65歳以上3500円、25歳以下3000円、高校生割引1000円(要証明書)【問い合わせ】東京芸術劇場ボックスオフィス(TEL:0570-010-296[HP]http://www.geigeki.jp/)【作・演出】松尾スズキ【出演】鈴木 杏、少路勇介、オクイシュージ、峯村リエ