STAGE 新国立劇場演劇公演『長い墓標の列』
次世代の演劇界を担う舞台俳優の育成を目指し、2005年に開所された新国立劇場演劇研修所。これまで多くの俳優を輩出してきたが、新たな試みとして、その修了生とベテラン俳優たちによって作品を制作するシリーズが企画された。その第一弾となるのが福田善之の『長い墓標の列』。
本作は東大経済学部の河合栄治郎事件をモデルとした作品。この事件は海外留学から帰国後、ファシズム批判の姿勢を強めた自由主義者の河合栄治郎が思想弾圧を受けたという事件。
時は第二次世界大戦前夜。大学教授・山名はファシズム批判を唱えたため職を追われる。山名の奮闘虚しく、大学の自治は踏みにじられ、そして弟子からも裏切られ失意の底に落ちる。そんな彼を師と慕う者や家族の支えのもと、狂ったように研究を進める山名だったが、戦争の暗い影は日本を覆い始めていた。
尖閣や竹島問題をきっかけに、妙な具合のナショナリズムの高まりが懸念される昨今。歴史的な出来事から思想、哲学、国家、自由といったふだんなかなか耳にしない事柄を振り返ってみるのもいい。
【日時】3月7日(木)〜24日(日)(開演は月14時、木金18時30分、土日13時。※13日(水)と14日(木)は14時開演。20日(水・祝)は13時開演。火曜休演。開場は開演30分前。当日券は10時より)【会場】新国立劇場 小劇場(初台)【料金】A席5250円、B席3150円(Z席1500円=公演当日の朝10時よりボックスオフィス窓口にて発売。1人1枚、電話予約不可)【問い合わせ】新国立劇場ボックスオフィス(TEL:03‐5352‐9999=10〜18時[HP]http://www.nntt.jac.go.jp/play/)【作】福田善之【演出】宮田慶子【出演】村田雄浩、那須佐代子、石田圭祐、小田豊、古河耕史、北川響、遠山悠介、西原康彰、熊坂理恵子、安藤大悟、今井聡、扇田森也、チョウ・ヨンホ、大里秀一郎、梶原航、形桐レイメイ、川口高志、林田航平