STAGE ジャンルは違えど心を揺さぶられる作品たち
ハイバイ『て』
演劇界の芥川賞ともいわれる「岸田國士戯曲賞」を受賞した岩井秀人が主宰する劇団、ハイバイが今年10周年を迎える。というわけでそれを記念して、伝説の作品と評価も高い『て』で全国6都市を回るツアーを行う。
本作は岩井自身の家族をモデルとした自伝的作品。祖母の認知症をきっかけに久々に集合した家族が、過去の関係を清算しきれず、さらに大爆発する様子を描いたスーパー家族劇。
わざわざ“スーパー”とうたうだけあって、家族間の感情の移ろいの描き方がハンパなく、笑っているつもりがいつしか目頭を熱くさせられる観客も多かった。
その脚本はもとより、「同じ時間を視点を変えて2周する」という予想外の演出も含め高いレベルで結実した作品だ。
21日、22日夜、25日夜、28日、30日昼には岩井自身によるアフタートークあり。
【日時】5月21日(火)〜6月2日(日)(開演は平日19時30分、土14時/18時、日14時。30日(木)は14時の回あり。月曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演の1時間前)【会場】東京芸術劇場 シアターイースト(池袋)【料金】全席自由・整理番号付 前売(前半割 21〜26日)3000円、当日3500円/前売(28日以降)3300円、当日3500円/学生 前売・当日共2500円(受付で学生証呈示)、高校生以下 前売・当日共1000円(東京芸術劇場窓口のみ販売)【問い合わせ】quinada(TEL:080-6562-4520[劇団HP]http://hi-bye.net/)【作・演出】岩井秀人【出演】岩井秀人、上田遥、永井若葉、平原テツ/青野竜平、奥田洋平、佐久間麻由、高橋周平、富川一人、用松亮/小熊ヒデジ/猪股俊明
2009年に開館した座・高円寺のこけら落としを井上ひさし作の一人芝居『化粧 二幕』で飾った渡辺美佐子が、同劇場の芸術監督である佐藤信と新たな作品に挑むという。
新作にあたっては、渡辺の俳優としての魅力、中でもその潔さ、力強さに焦点をあてた作品を1年以上の時間をかけて探してきた。そして選ばれたのが『リア王』だった。
これまで60年間のキャリアを誇る渡辺だが、同時代の劇作家たちの作品を演じ続けてきたこともあって、意外にもシェイクスピア作品は初めてという。演じるのはもちろんリア王。まさかの男役だ。女性がリアを演じることも含めて、なにやら新鮮。そしてどのような舞台になるのか全く想像もつかない。
主要な登場人物が多く、それぞれが複雑に絡み合う物語だが、今回は嵐の場面を中心に構成。登場人物はリアと道化と男の3人。リアに寄り添い、彼の心を激しく揺さぶる道化たちには花組芝居の植本潤と俳優座の田中壮太郎。
濃密な3人芝居が繰り広げられる。
【日時】5月17日(金)〜26日(日)(開演は17・23・24日19時、18・19・21・22・25・26日14時。20日休演。開場は開演30分前。当日券は開演の1時間前)【会場】座・高円寺2(高円寺)【料金】全席指定 昼公演4000円/夜公演3500円【問い合わせ】座・高円寺(TEL:03-3223-7500[HP]http://za-koenji.jp/http://za-koenji.jp/)【原作】W.シェイクスピア【翻訳】小田島雄志(『リア王』より)【構成・演出】佐藤信【構成協力】生田萬【出演】渡辺美佐子、植本潤、田中壮太郎