STAGE 太宰治に樋口一葉…昭和の文豪をモチーフとした作品

太宰治作品をモチーフにした演劇 第10回− ピチチ5 結成
10周年記念公演−『はぐれさらばが“じゃあね”といった』


59421.jpg 晩年を三鷹で過ごした太宰治を偲び開催される桜桃忌の時期に行われる、三鷹市芸術文化センター恒例の「太宰治作品をモチーフにした演劇」も今年で10年目を迎える。

 今回公演を行うのは奇しくも今年結成10周年を迎えたピチチ5。ピチチ5は劇作家で演出家の福原充則が主宰するユニット。福原は複数のユニットで活動中。また岸田戯曲賞にもノミネートされるなど外部作品にも引っ張りだこで、ピチチ5としては2008年以来5年ぶりの公演。旗揚げ当初は「青年男子発狂芝居」といわれていたのだが、彼ら曰く「華々しいモデルチェンジ」を経て、「中年男子発狂疲れ芝居」として復活する。

 もともとこの企画に興味があったという福原がメーンのモチーフとしたのは太宰の初期の作品である『老ハイデルベルヒ』。静岡県三島市を舞台に、太宰、横溝正史といった天才たちのちまちました苦悩を描いたお話となる。

撮影:露木聡子

【日時】6月28日(金) 〜 7月7日(日)(開演は平日19時30分、土15時/19時、日15時。水曜15時の回あり。月曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演の1時間前)【会場】三鷹市芸術文化センター 星のホール(三鷹)【料金】全席指定 前売3500円、当日3800円、学生2500円、高校生以下1000円(前売当日共、当日要学生証)/早期観劇割引(28〜30日)、平日マチネ観劇割引(3日15時)前売3200円、当日3500円【問い合わせ】三鷹市芸術文化センター(TEL:0422-47-5122[HP]http://mitaka.jpn.org/ticket/1306280/)【脚本・演出】福原充則【出演】菅原永二、今野浩喜(キングオブコメディ)、野間口徹、植田裕一、三土幸敏、碓井清喜、三浦竜一、広澤草、仁後亜由美、吉牟田眞奈、久ヶ沢徹

こまつ座『頭痛肩こり樋口一葉』

59422.jpg こまつ座の100回記念公演は、旗揚げ作品だった樋口一葉の評伝劇『頭痛肩こり樋口一葉』。いわば代表作にして最大の人気作だ。これまでは30年にわたり木村光一が演出してきたが、100回公演の節目にあたって今回は栗山民也が演出を担当する。

 明治の半ば、父や兄に先立たれ、仕方なく樋口家の戸主となった樋口家の長女・夏子(樋口一葉)は、母の期待や妹の優しさに応えようと、孤立奮闘する日々。しかし和歌では自活できないことを知り、小説で身をたてる以外に道はないと悟る。そんな夏子の前に彷徨える幽霊の花螢が現れ、2人は互いに心を通わせていくのだが…。24歳6カ月で夭折した明治の天才女流作家・樋口一葉と、さまざまな境遇を背負った5人の女性が織りなす、切なくて、楽しい幽界(あのよ)と明界(このよ)にまたがる物語。

 夏子を演じるのは近年舞台での活躍がめざましい小泉今日子。最近では『あまちゃん』での春子役が話題沸騰中だ。そして井上作品に多く出演している三田和代、若村麻由美らが脇を固める。

【日時】7月11日(木)〜8月11日(日)(開演は日月木13時30分、水土13時30分/18時30分、金18時30分。火曜休演。※11日(木)は18時30分開演。17日(水)13時30分の回は貸切。開場は開演30分前。当日券は開演の1時間前)【会場】紀伊國屋サザンシアター(新宿)【料金】全席指定 入場料8400円/学生割引6300円【問い合わせ】こまつ座(TEL:03-3862-5941 [HP]http://www.komatsuza.co.jp/)【作】井上ひさし【演出】栗山民也【出演】小泉今日子、三田和代、熊谷真実、愛華みれ、深谷美歩、若村麻由美