江戸瓦版的落語案内

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落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。まずは、寄席や噺の中で使われるさまざまな用語を解説する「らくごのいろは編」。

【ね】ネタ帳(ねたちょう)
 寄席の楽屋にある、その日に演じられた演題と演者(色物は演者のみ)を書いたもの。高座でどの噺をするかは、当日の出演前に噺家が決めるため、それを見て自分の前に同じネタや似たようなネタがないかチェックする。ネタ帳をつけるのは前座の仕事。洒落て根多帳(ねたちょう)や鶯宝恵帳(おぼえちょう)の字を当てることも。

【な】仲入り
 寄席の中盤にとられる休憩時間のこと。また、その前に高座に上がった芸人のこと。「中入り」とも書く。ちなみに、仲入り後高座に上がる出演者を「くいつき」と言う。休憩時間に気持ちがそれたお客さんを高座に食いつかせるという説と、仲入り中に購入したお弁当に食いついている時間帯からという説がある。

【ら】らくだ/噺解説
 らくだの馬という渾名の乱暴者で町内の嫌われ者がフグに当たって死んだ。それを発見した兄貴分が、通りかかった屑屋を呼び止め、らくだの葬式を出すから、長屋の者や大家から酒と料理をもらってこいという。嫌われ者のらくだが死んで喜ぶ大家はその頼みを断ると、屑屋に死体を担がせて、大家の家でらくだにかんかんのうを躍らせた。さすがの大家もこれには降参。しぶしぶ酒と料理を出した。これに味をしめた兄貴は、同じ手口で棺桶がわりに八百屋から菜漬けの樽をせしめた。屑屋はお役御免と期待するが、清めの酒を飲んでいけと兄貴分にいわれ、渋々飲み始める。すると酒乱の気が出て態度が豹変。兄貴分と立場が逆転。酒が回った屑屋はらくだの死体を落合の知り合いの火葬場で焼いてもらうと言い出し、2人は頭を丸めたらくだを菜漬けの樽に入れ、天秤棒を担ぎ運び始める。しかし、火葬場に着いて樽の中を見ると、死体がない。どこかに落としてきたかと来た道を引き返すと、酔っ払った坊主が寝込んでいた。それをらくだと間違えて桶に入れ再び火葬場に戻り火をつけると、坊主が目を覚ました。「熱っ!ここはどこだ」「焼き場だ。火屋(ひや)だ」「冷酒(ひや)でもいいからもう一杯」。

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