グリーン・デイの楽曲で綴る エネルギッシュなミュージカル 『アメリカン・イディオット』

 本国アメリカはもちろん、世界中で話題を集める、新世紀のブロードウェイミュージカル『アメリカン・イディオット』が日本上陸、8月7日に東京国際フォーラム ホールCで幕を開ける。

 米人気ロックバンド、グリーン・デイのフロントマン、ビリー・ジョーと、ブロードウェイの鬼才マイケルメイヤーがタッグを組んだミュージカル。始まりは、グリーン・デイが2004年にリリースしたアルバム『アメリカン・イディオット』だ。このアルバムは、アメリカ同時多発テロによるイラク戦争への怒りを表した内容でバンドは本作でグラミー賞も受賞。若者たちのカリスマというグリーン・デイのイメージを大きく変えた。なぜこのアルバムがミュージカル化されたかというと、ビリーが『ロッキー・ホラー・ショー』や『ウエストサイドストーリー』といったミュージカル作品の影響を受けて、プロットを作り、舞台化を視野にいれて制作したため。マイケルメイヤーは「アルバムを初めて聞いた時、先天的に演劇/舞台の要素を持ち合わせていると感じた。上演してくれと訴えていた」と、語っている。

 物語の軸となるのは、9.11後の世界で人生の意義を見つけようと、厳しい現実のなかでもがき、葛藤しながらも成長していく青年たち。グリーン・デイの楽曲とともに、アルコールやドラッグ、未成年での妊娠など、アメリカ社会が直面している社会問題を描き出していく。

 キャストには、役柄とほぼ同年代の若手が勢ぞろい。彼らはみな真摯に役に向き合い、自分自身をむき出して持てるものをすべて役にぶつけ、エネルギッシュな舞台を作り上げている。

 ロックバンドの生演奏にのせて、セリフも少なくロックコンサート感覚で駆け抜ける本作は、ミュージカルに親しみのない人でも鑑賞しやすい作品ともいえる。ミュージカルファン、グリーン・デイのファンはいうまでもないが、幅広い層に訴えかける作品。この夏、マストチェックのミュージカルだ。

ブロードウェイミュージカル『アメリカン・イディオット』は、東京国際フォーラム ホールCにて、8月7〜18日まで全16公演。12、13日は休演。公演の詳細およびチケットの購入は(http://kyodotokyo.com/aidiot)もしくは電話キョードー東京 0570-550-799