STAGE まだ見たことのない若い才能たちをショーケーススタイルで
東京芸術劇場は野田秀樹が芸術監督に就任後、“劇場の賑わい”“若手育成”をテーマにさまざまな企画を立ち上げてきた。
特に次世代の演劇界を牽引する若い才能の紹介には積極的で、2009年に始まった「芸劇 eyes」シリーズからは、多くの若手演劇人が飛躍を遂げた。
2011年には芸劇 eyesの番外編として短編作品のショーケーススタイルの「20年安泰。」を開催。今回はその第2弾となる。
「芸劇 eyes」はまだそれなりに知名度があった劇団が多かったのだが、「20年安泰。」では完全に“若手”といわれる人選に振れていた。しかし出演劇団の以降の活躍は目覚ましく、改めて“多くの人の目に触れる”ことの大事さが証明された。
今回は作・演出家が20〜30代の女性という5劇団をピックアップ。前回同様、同じ舞台を使い20分にまとめあげた短編を上演する。
また“女性性”に関する意識もさまざまで興味深いところ。
以下は参加5劇団の作品とプロフィル。
うさぎストライプ『メトロ』…2010年に結成。大池容子の演劇作品を中心に活動中。作品は「女性らしい作風」といわれることが多い。大池自身は意識して作っているわけではなく、そう言われることについては「恥ずかしい」と思っているとのこと。今回は「たまたま、その日、電車に乗ったひとと、乗らなかったひとのおはなし」http://www.usagistripe.com/
タカハ劇団『クイズ君、最後の2日間』…高羽彩の脚本・演出作品を上演するためのプロデュースユニット。会話劇とあって、今回の5劇団の中ではわりとスタンダードな作風。本作では巨大掲示板の書き込みをモチーフに「人間って何だろう」という問いを観客に投げかける。http://takaha-gekidan.net/
鳥公園『蒸発』…作・演出の西尾佳織と俳優・デザインの森すみれによる演劇ユニット。「正しさ」から外れながらも確かに存在するものたちに、少しトボケた角度から、柔らかな光を当てようと試みる。http://birdpark.web.fc2.com/
ワワフラミンゴ『どこ立ってる』…作者・鳥山フキを中心に小規模に活動している演劇団体。奇をてらわずに不思議な世界観と思わせる作品が得意。基本的には女性だけの作品が多い。今回も5人の女優が「愛らしくて、楽しい話」を繰り広げる。http://wawaflamingo.com/
Q『しーすーQ』…2011年より活動。市原佐都子が劇作・演出を担う。2013年秋のF/T13公募プログラムに参加予定。その作品は女性の複雑さや面白さを描くものが多い。ニンゲンの世の中の「形」に飼いならされきれない、そこからはみ出している、無理している存在が気になるという。http://qchan9696.web.fc2.com/Q/