VTJ 3rd 藤井惠が引退試合で無念のドクターストップ
ケージで開催される総合格闘技『VTJ 3rd』が5日、大田区総合体育館で開催された。
メーンでは“秒殺女王”の異名を持つ藤井惠がジェシカ・アギラーとの引退試合に臨んだが、目の負傷により2R終了時点でドクターストップのTKO負けとなり、有終の美を飾ることはできなかった。
1Rからお互いジャブで距離を図る。ジリジリと距離を詰め、タックルに入った藤井の右目にアギラーの指が入ってしまう。ドクターチェックを経て試合再開。
その後も恐れずに踏み込んでパンチを放つ藤井だが、迎え撃ったアギラーの指がまたも右目に…。
藤井が試合後「1回目は軽く、2回目は奥に入ってしまった」と語る通り、大きなダメージを受けてしまう。右目の回復のためインターバルが取られたのだが、時間が経てば経つほど腫れ上がる右目。目薬をさすなどして治療を続け、長い長いインターバルを経て試合が再開された。
試合後「最初は様子を見ようと思ったが、藤井が積極的に来たので私もこたえた」とアギラーが語ったとおり、思わぬアクシデントがありながらも両者のファイティングスピリットには少しの陰りも見られない。
1R後のインターバルでも治療が行われたが、時間が経つにつれ右目のコンディションは悪化するばかり。視界が悪いことからパンチをもらうという悪循環で2R終了時点で右目はほとんど見えない状況になってしまった。
懸命な治療が行われたが、試合続行は危険とドクターが判断し試合を止めた。
引退試合ということで「応援シート」も設けられ、多くのファンが詰めかけた。「最後まで戦うことができなくてすいません」と挨拶する藤井に会場から「ありがとう」「おつかれさま」というねぎらいの声が掛けられた。
宇野は『VTJ 2nd』DREAMフェザー級王者の高谷裕之を1RでKOしたロメロの打撃に苦しめられながらも、パンチをフェイントに使ってのタックルからグラウンドの展開に持ち込むや、ネックロックで一本を奪った。
宇野は試合後「目標は3回目のUFC参戦」と宣言。今年で38歳を迎えるベテランファイターが最後の夢に向け大きな1勝をあげた。