INTERVIEW 浅野忠信 × 菊地凛子「俺たちは最強のチームだ」


日本映画のすごさをアピール


 浅野、菊地、そして真田と日本を飛び出し、世界で活躍する演者が揃い、これまでの日本をモチーフにした作品の枠をも飛び越えた『47RONIN』は、ハリウッドに新たな歴史を確かに刻む。そして、また、映画における日本映画という立ち位置にも変化を与えていくかもしれない。ハリウッドには、実現の日を待つ、日本を舞台にしたり日本をモチーフにした企画がたくさん転がっているという話も聞く。

浅野「われわれ俳優がこうやってチャンスをもらっているなかで、監督だったり、日本の映画製作者にとってもアピールしていかなければならないポイントだと思っています。隣りの韓国や中国では、世界に向けて映画を作って、世界で活躍しようと努力している。でも日本は、島国だからなのかなあ、なんか違う。世界には日本映画ファンがドワッといるんですよ。下手したら日本人より日本映画に詳しいような人たちが。必要としている人がいる、見たいっていう人がいる、大切にしてくれる人がいるんだから、我々もどんどん出て行って、みんなで協力して、世界中で映画を作っていかないと」

菊地「それに、海外、とくにヨーロッパに行くと感じるのですが、みんな日本にすごく興味を持っているんですよ。日本のキャストで撮りたい、日本で撮影したい、さらにそれを日本で上映したいって思っている。そういう人たちにとっても、日本は、開かれた環境であってほしいと思いますね。同じアジアのなかでも、韓国、中国では、映画を撮りたい人を、国がきちんとバックアップしている。それは、自分たちの国で映画を撮る、それを支えることを誇らしく思っている、そのことで、もっと前に行けると考えているからじゃないかと思うんです。映画を作りたいから作る、そういう自分たちの欲求だけでやっているだけではなくて、それを機に、もっと大きなものにできる可能性があるって思ってるんだと思います。その可能性とか希望を、日本の映画ビジネスの中でも見たいですよね」

浅野「そのためには、バックアップも必要です。イチロー選手が活躍するとうれしいじゃないですか。同じように、渡辺謙さんが活躍されてもうれしい。みんながそのうれしい体験をまたしたいって協力してくれれば、日本の映画は、もっとすごいことになるかもしれない。そのためにも、映画に関わる人たちが、政治家、役人、そういった人たちに、日本映画が世界に広がっていることをちゃんと認識してもらえるように動かないと。まずは自分たちもどんどんいろんな作品に出て、アピールしていかなければいけないですね」

『47RONIN』は全国で公開中。

(本紙・酒井紫野 撮影・神谷渚)



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浅野&菊地に聞く、NEWS OF THE YEAR
2013年もさまざまな作品を届けてくれた浅野と菊地。今年はどんな年だった? それぞれに、今年最大のニュースを聞いた!


HIS NEWS OF THE YEAR 浅野忠信
「40歳になったこと、俳優生活25周年を迎えたこと」



 ……どうでもいいことではあるんですけど、うん、40歳になったことと、俳優生活が25周年を迎えたことが、自分のなかでは、今年のビッグニュースですね。毎年、なんらかのタイミングで、「何年仕事してきたんだろう」って考えることはあるんですね。だけど、今年、マネジャーに「俳優生活25周年ですね」って知らされて、「区切りがいいな、しかも40歳だし」って思いました(笑)。もう、そんなに時間が経ったんだなって。
 このタイミングで『47RONIN』が公開。いろんな人に見てもらえる作品でもあると思いますし、自分にとっても新たなスタートになりそうというか、そうあってほしいなって思います。これを機にどんどん頑張っていきたいですね。
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HER NEWS OF THE YEAR 菊地凛子
「あこがれの人! ミレーナ・カロネロに会えた!」



 変わったこともしていないし。(浅野さんみたいに)25周年でもないしなあ、うーん……そうだ、ミレーナ・カロネロさんにお会いできたこと! 
 彼女は、『時計じかけのオレンジ』や『シャイニング』で衣装を担当していて、オスカーも受賞したことがある方。イタリアの映画を撮影していたんですけど、そのプロデューサーと衣装を担当していたのがミレーナさんだったんです。『時計じかけのオレンジ』も『シャイニング』も大好きなので、彼女に会えたのはすごくうれしかったです。あの衣装作った人だ!みたいな、ファン心理ですけど。一気に子供に戻ってしまいました。
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