ありそうでなさそう、現実と架空の世界を行ったり来たり
MONO『のぞき穴、哀愁』
ちょっと変わった設定の中で繰り広げられる絶妙な会話劇が鉄板のMONO。
その変わった設定というのも、刑務所の中に突然に領土問題が発生したり、窃盗団の飛行機の中の話だったり。こう聞くと突飛な設定のようにもみえるが、幕が上がって芝居が始まると、俳優たちの佇まいがそう思わせるのか、なんとなくありそうな設定に思えてしまうから不思議だ。
今回の舞台はビルの天井裏。そこで「のぞき」をして過ごす人々のお話。
その天井裏には他の社員が知らない部屋がある。会社をリストラされたと思われている数名の社員が天井裏から社内の様子をのぞいていた。彼らは社長直属の「諜報課」だった。
登場人物たちはのぞくだけで、決してメーンストリームには加われない人たち。
この構造はまさに現代のネット社会を模したもので、外野から罵詈雑言を浴びせる人たちの気持ち良さと惨めさが入り混じった不思議な感覚が描かれる。
そう言われると見終わった後に自分がどんな気分になるのかも、ちょっと気になる!?
【日時】2月15日(土)〜2月23日(日)(開演は19時30分。16日(日)と22日(土)は15時の回あり。※23日(日)は15時開演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)【会場】駅前劇場(下北沢)【料金】全席指定 4000円/早期観劇割引(15・16日)3500円/U-25チケット2000円(25歳以下・要証明書提示・劇団前売のみ取扱い・枚数限定)【問い合わせ】MONO(TEL:075-525-2195 [HP]http://www.c-mono.com/)【作・演出】土田英生【出演】水沼健、奥村泰彦、尾方宣久、金替康博、土田英生/森谷ふみ(ニッポンの河川)、古藤望(マゴノテ)、高橋明日香(kitt)、松永渚