楽天・田中が7年160億円でヤンキース入り
新ポスティングシステムでの大リーグ移籍を希望していたプロ野球楽天の田中将大投手(25)のヤンキース入りが決まり、1月23日、仙台市で記者会見が行われた。
田中は「野球人としてこれまでと違った刺激を受けると思う。前より成長できたら」とメジャーへの思いを語った。日本での最大の思い出として昨年の日本一を挙げた。
新ポスティングシステムでは所属球団への譲渡金が上限2000万ドル(約20億6000万円)と定められたこともあって、15球団が田中の獲得に動いたともいわれた。そのなかで田中が選んだのはヤンキース。その契約は7年で総額1億5500万ドル(約161億円)、4年目終了時にフリーエージェントとなれる条項も含まれた。この金額はダルビッシュの6年6000万ドルを大きく上回り、投手では史上5番目に巨額な契約となった。
ヤンキースには黒田博樹投手、イチロー外野手も在籍している。
田中には1年目から大きな期待がかかる。昨季はプレーオフ進出を逃し、巻き返しを図るヤンキースにとって、手薄な先発陣の立て直しは喫緊の課題。左腕エースのサバシア、昨季11勝の黒田と並ぶ3本柱としての期待は大きい。黒田は経験豊富とはいえ、2月で39歳になる。「7年」という長期契約からみても、田中には将来的なエースとしての役割が求められている。
一方で、クリアすべき課題も多い。楽天でのレギュラーシーズンは「中6日」で先発することが多かった田中だが、メジャーは「中4日」の先発ローテーションが基本。162試合の長丁場のシーズンを乗り切るコンディション維持が最大のテーマになる。田中本人も「失敗もすると思うが、繰り返していく中で適応していきたい」と前向きだ。
田中と同じように、全米注目の中でデビューを果たした松坂大輔(現メッツ)とダルビッシュ有(現レンジャーズ)は、ともに1年目に好成績を残した。松坂は2007年にレッドソックスで15勝を挙げ、12年にレンジャーズ入りしたダルビッシュは日本人選手の新人最多となる16勝を挙げただけに「シーズン15勝」が1年目のバロメーターになる。