格闘家イケメンファイル Vol.4 アンタッチャブル 卜部 功也
実兄・卜部弘嵩もキックボクサーとして活躍。兄の後を追って、自然と格闘家になったというお兄ちゃんに頭の上がらない弟の素顔は?
「兄とは年子なんですが、小学校1年の時に兄が空手を始めて、僕はその1年後に同じく小学校1年生で空手を始めました。1年生になったら空手を習わせるっていう親の方針で。兄は子どものころからあまりべらべら喋るタイプではありませんでしたが、僕は基本的におしゃべりです(笑)。典型的な長男と次男。自分自身は多分格闘家向きじゃない性格だと思う。気も強くないし、普段から熱くなったり、怒ったりしないので。お兄ちゃんには頭が上がらないというか、兄は“兄です”って感じです(笑)」
先にプロになった兄に続き、格闘家としてデビューを果たす。
「デビューは2009年ですから、19歳の時です。小学校の時に兄と空手をやって、そのあと兄がグローブ空手をやるようになり、僕ももちろんついて行きました(笑)。そのあと、僕はK-1甲子園に行き、1年間そこでやっていた。試合はずっと勝っていたんですけど、最終的に決勝でHIROYA君に負けて準優勝だったんです。でもそのまま兄が所属する団体からオファーが来て、プロデビューが決まりました。K-1甲子園はテレビでも放送されていたので、放送の翌日は多少声をかけられることもありましたけど、それはまあ…恥ずかしかったです(笑)」
そしていよいよチャンピオンになるのだが…。
「チャンピオンには、22歳の時にユースという若手のトーナメントでチャンピオンになって、23歳でISKAという世界チャンピオンのトーナメントがあり、そこでチャンピオンになりました。実は僕、それを取るまでにK-1甲子園とアマチュアを合わせて4回トーナメントに出ていたんですけど、ずっと準優勝だったんです。だからベルトを取るまではすごく辛かったですね。なんで俺は最後に取れないんだ…って。対戦相手も違って、必ず決勝までは行くのに、どうしても勝てない。その時は精神的に悩みました。そういう選手もいるんですよ。強いし、うまいんだけど、どうしても1番にはなれない。自分はもしからしたら、そういう選手なんじゃないか、一番にはなれない選手なんじゃないかって、悶々としていました。そして最後、4回目にトーナメントに出たときに、KO負けしたんです。ずっと判定で負けていたのに、最後はKO負け。その時に、自分は何をやっているんだろうと思って。これはもう、プライベートから何から全部変えなきゃいけないと思い、お酒や遊びはもちろん、いろんなものを捨てて、練習漬けの生活にしました。そこで、ちゃんと格闘技にのめり込めたし、自分を変えられたと思います」
そんなに追い詰められても、続けたいと思う格闘技の魅力とは?
「会場に行って、熱くなって、そしてスカッとできる競技ってなかなかないと思うんですよ。やるほうも見るほうも。そんなスカッと感が味わえるところがいいと思います。あと、Krushに出ている選手って、昔の格闘家の男臭いイメージはあんまりない。おしゃれでかっこいい人がたくさんいる。そういうイケメンが戦う姿はなかなか見られないと思うので、そんなところも魅力のひとつじゃないでしょうか」
では魅力的な女性とは?
「いきなりですか(笑)。のんびりした子がいいですね。自分と同じようなペースで、あまりせかせかしていない人。あとはニコニコしている人。いつも笑顔の子っていいですよね。見た目も性格もふんわりした感じの子が好きです」
8月9日には、後楽園ホールで、翔・センチャイジムと対戦が決定している。
「ムエタイ系の選手なんですけど、強い選手です。対戦相手って、得意なタイプや苦手なタイプ、それに相性もありますが、実はムエタイ系の選手と戦ったことがないので、今回はよく分からない。でも逆にどう戦うかは楽しみですね。ムエタイ系の選手の研究はもちろんしていますし、こっちも自分のいつもどおりのスタイルで戦ったら攻略されやすくなると思うので、それに合わせた戦い方をしていかなきゃいけない。練習もそれ仕様に全部変えていこうと思っています」
今度の試合は間接的な兄弟対決とも言われている。功也と翔・センチャイジム、そして同日行われる兄の弘嵩と山本真弘の試合の中から、一番いい試合をしたものが、Krush-60kg級タイトルマッチの挑戦者に選ばれるというのだ。
「こういう形で兄と一緒に出るっていうのはなかなかない…いや、初めてですね。その2試合の中から、次の王座に挑戦する選手が出るので、僕自身もしっかりアピールしていきたい。直接対決ではありませんが、相手に勝つのはもちろん、兄にも負けられないという気持ちで挑みます」
誰が挑戦者に選ばれるのかにも注目が集まる2枚のカード。試合とともに、そちらの行方も楽しみにしたい。
1990年6月8日生まれ、千葉県茂原市出身。2008年K-1甲子園2008 関東地区代表決定戦に出場。優勝しK-1甲子園出場を決めた。同年、Dynamite!! 〜勇気のチカラ2008〜のK-1甲子園決勝でHIROYAに判定負けし、準優勝となった。2012年11月、Krush YOUTH GP 2012 -63kg級 優勝。2013年6月 ISKA 世界ライト級王座獲得。8月9日に東京・後楽園ホール行われるKrush.44に出場予定。キックボクサー卜部弘嵩は実兄。チームドラゴン所属。