野田秀樹の戯曲を気鋭の演出家が演出するシリーズ第3弾
国境も時代も、ときにはジャンルさえも超えて活躍し続ける演劇人・野田秀樹。本公演は、そんな野田の独自性に満ちた名戯曲の数々を気鋭の演出家たちが演出するシリーズの最新版だ。
野田作品は野田以外が演出を手掛けることが稀で、また再演の機会も少ない。そのため、このシリーズはスタート当初から演劇ファンを始め、多くの人から注目を集めてきた。これまで、松尾スズキ演出の『農業少女』(2010年)、マルチェロ・マーニー演出の『障子の国のティンカーベル』(2014年)が上演され、どちらも大成功のうちに幕を下ろしている。
『小指の思い出』は、野田が主宰し、日本の演劇シーンに新たな潮流を生み出した劇団・夢の遊眠社中期の傑作。車にあたって金をせしめる「当たり屋」を生業としている男女の物語と、ニュールンベルグの魔女狩り・地下牢に幽閉された少年の中世の物語が交錯し展開する物語だ。
本公演で演出を手掛けるのは、注目度が急上昇、今後の演劇界をけん引していく演出家の1人とされる藤田貴大(劇団・マームとジプシー)。『小指の思い出』は中学生の時にビデオで見たといい、彼の原点ともいえる作品への挑戦でもあ
るだけに、期待も高まる。
もちろん出演陣も豪華だ。シリアスな役柄から『あまちゃん』の前髪クネ男役などユーモラスな役まで見事に演じ切る勝地涼を始め、現代アートから舞台まで多岐にわたる活動をくり広げる鬼才・飴屋法水、マームとジプシー旗揚げから劇団に参加している青柳いづみ、さらには舞台・映像等で独特の存在感を発揮する松重豊ら個性的な役者陣が揃う。
野田秀樹と気鋭の演劇人のコラボ。舞台上で起きる化学反応が楽しみだ。
小指の思い出
[作]野田秀樹 [演出]藤田貴大 [出演]勝地涼、飴屋法水 / 松重豊他
【日程】9月29日(月)〜10月13日(月・祝) ※10月1、6は休演
【会場】東京芸術劇場プレイハウス
【料金】S席¥5,500、A席¥4,500
【備考】未就学児童入場不可。
【チケットの購入および問い合わせ】http://l-tike.com/play/koyubi/