見たもの、感じたもの、伝えたもの
飯山由貴 個展『あなたの本当の家を探しにいく/ムーミン一家になって海の観音さまに会いにいく』

waitingroom 開催中〜10月19日(日)

 昨年に東京藝術大学大学院美術研究科油画科を修了した若手アーティスト・飯山由貴の同ギャラリー初個展。飯山の家族の1人が持つ幻聴、幻覚を、家族で再現する試みの記録映像作品、精神病院の医療記録についての映像作品、その他ドローイングや記録資料などをインスタレーション形式で展示する。飯山は、ネットオークションなどで買い集めたスクラップブックをもとに、映像作品や手編みのタペストリーなどから構成されるインスタレーション作品を制作している作家。スクラップブックの内容から、過去の人物や事件の痕跡を追い、得たイメージやエピソードを収集して作家自身の視点を交え、作品を組み立てていく。近年は匿名のスクラップブックを題材に、ハンセン病や関東大震災など歴史的史実を主題として取り扱うことが多かった飯山だが、今回は自身の家族の1人(妹)が持つ幻聴や幻覚がテーマの出発点となっている。パーソナルな体験をもとに精神病の歴史やその周辺の事例をリサーチしていくなかで、ドキュメンタリーと飯山自身の視点が交差していく。

 幻覚・幻聴という、非日常の視点と重なったとき、浮かんでくる自らのまなざしを意識してみて。

【時間】月曜:17〜23時 金土日13〜19時【休】火〜木【料金】入場無料【問い合わせ】03-3476-1010【交通】JR・東京メトロ 恵比寿駅西口より徒歩4分【URL】http://www.waitingroom.jp/