高倉健さん逝く、男の美学貫き笑顔で天国へ
日本を代表する名優、高倉健(たかくら・けん、本名・小田剛一=おだ・ごういち)さんが10日午前3時49分、悪性リンパ腫のため都内の病院で死去した。83歳だった。18日に所属事務所が発表した。
同事務所によると、次回作の準備中に体調を崩して入院。治療を続けたが、容体が急変し、病院スタッフらに看取られ、息を引き取った。事務所が発表した書面によると「生ききった安らかな笑顔でございました」。葬儀は故人の遺志に従い、近親者で執り行われた。
次回作は、遺作となった映画『あなたへ』(2012)のスタッフで作る親子の物語だった。脚本は固まっており、降旗康男監督で来春撮影予定だった。最後の仕事も、8月に撮影された健康食品通販『健康家族』のCMで、この後に闘病生活に入ったようだ。
所属事務所の書面につづられた「往く道は精進にして、忍びて終わり悔いなし」の言葉は、比叡山延暦寺の大阿闍梨、酒井雄哉氏(故人)から贈られたもので、健さんの座右の銘だった。お別れの会は故人の遺志で行わない。同事務所は「派手なことが嫌いなので、本人は静かに逝きたいと…」と説明。最後まで“忍ぶ”美学は健さんらしかった。