作品世界は、失われない「難波田史男の世界 イメージの冒険」

世田谷美術館 開催中〜2015年2月8日(日)

 画家である父・難波田龍起の元に生まれ、研ぎ澄まされた感性で独自の世界を表現しながらも、不慮の事故により32歳の若さで他界した青年画家・難波田史男(1941-1974)。わずか15年足らずの短い活動期間のなかで、彼は2000点を超える作品を描き残した。世田谷美術館ではそのうち約800点を収蔵しており、今回は代表作を含め、厳選した約300点を展示。短い画歴の中でも、ときに作風を変え、果敢に表現と向き合い続けた彼の、イメージの冒険をたどる展覧会となっている。

「第1章 異次元の未来世界へ」では、画家への道を踏み出した1960年から独自のスタイルを生み出していった1966年までの作品を紹介。「第2章 内なる物語世界へ」では初個展を開いた1967年から亡くなる1974年までの作品を紹介する。初個展の前年、早稲田大学在学中に起きた大学紛争に葛藤したあたりから、作風に大きな変化が見られる。独自の表現を持ち続けながら、無限に広がる異次元から精神の奥深くへと向かった史男の絵画世界は、より見る者をひきつけてやまない。

【時間】10〜18時(入館は閉館の30分前まで)【休】月曜(ただし1/12は開館)、12/29〜1/3、1/13【料金】一般1000円、65歳以上800円、大高生800円、中小生500円 【問い合わせ】03-5770-8600(ハローダイヤル)【交通】東急田園都市線 用賀駅 北口から徒歩17分【URL】http://www.setagayaartmuseum.or.jp/