箱根駅伝 青山学院大が10時間49分27秒で初の総合優勝

 第91回東京箱根間往復大学駅伝で青山学院大が10時間49分27秒で初の総合優勝を果たした。青学大は1918年の創部から97年、出場20回目にして初めての総合優勝。

 2日に行われた往路(東京・大手町〜神奈川県箱根町の5区間、107.5キロ)では、青学大は5時間23分58秒で初の往路優勝を果たした。5区を走った神野が、かつて“山の神”と名をはせた柏原竜二(東洋大=現・富士通)が3年前に打ち立てた区間記録を24秒上回る会心の走り。46秒前を行く駒大・馬場を交わしトップでゴールに駆け込んだ。その駒大は馬場が20キロ過ぎに低体温症を起こし路上に崩れる。ゴール直前でも転倒するなどし、大きく後退。青学大に7分25秒の差をつけられ4位に終わった。

 2位には4分59秒差で明大が入り、総合2連覇を狙った東洋大は6分49秒差の3位。東洋大は“花の2区”で服部勇が区間賞を取ったものの、昨年優勝の立役者・双子の設楽兄弟の穴は大きく、じりじり離された。

 3日の復路(神奈川県箱根町から東京・大手町までの5区間、109.6キロ)でも青学大の勢いは止まらず、3区間で区間賞を奪い2位の駒大に10分50秒の差をつけ圧勝した。最優秀選手には往路の5区で快走した神野大地が選ばれた。

 今回からコースの一部変更で正式な比較はできないが、東洋大(2012年)の大会記録を上回り、史上初めて10時間40分台に踏み込む圧勝に、原監督は「素直にうれしい。驚きを隠せない」と感慨に浸った。全10区間のうち区間賞5、区間2位が3。神野や一色といったエース級だけでなく、脇を固める選手たちに厚みが出たことが快挙につながった。

 駒大は往路4位から2位に浮上する意地を見せたが、タイム的には往路からさらに引き離されての完敗だった。

 10位までに与えられるシード権争いでは9区を終えて8位につけていた中大のアンカー多田が10区で最下位とまさかの失速。チームは19位まで後退し、3大会ぶりのシード権を逃した。10位に52秒差の11位で最終区に入った山梨学院大は兼子が区間3位と好走し、9位で3大会ぶりにシード権を獲得した。