バレンタイン・イブは、ロックアップよりもスウィートな抱擁を!?〈不定期プロレス女子企画 WRESTLE-1観戦記〉
日本三大経済効果バレンタイン・デーを前日に控えた“13日の金曜日”は、デパートで有名ショコラティエを取り囲む淑女たちの姿を横目に、恋のエンゼルならぬ地獄の使者グレート・ムタを拝みに後楽園ホールへやってきました。
それでは今回も本筋は置いて、キュンどころをいくつかピックアップさせて頂きます!
本日は初っ端に見どころが。そう、それはデビュー戦! 熊ゴローvs芦野祥太郎です。動物リングネームが多いなかでも際立つ “熊ゴロー”という名前は、もともと「熊のように強くなれ」というアニマル浜口氏の教えに由来しているそうです。一方の芦野祥太郎クンですが、まず顔面偏差値高いです! カッコいいです。両者デビュー戦ということで実直な印象の内容はプロレスにわか女子にはいい流れの勉強になりました。途中から「アッシー!」と黄色い声援が目立ちはじめた芦野が爽やかに勝利を収め、大阪大会(2月22日)に武藤敬司、船木誠勝とのタッグというビッグチャンスが与えられています。なお名古屋大会(2月20日)はベテラン田中稔とのシングルマッチ。ぜひ機会ひとつひとつをモノにして、勢いよくスター街道に乗ってもらいたいですね。熊ゴローも。
つづいて本日も推しメンたちをチェックです!
まず、今回よくわからない対立をしていたNOSAWA軍vs MAZADA軍。前者に入り込んでいた大和ヒロシ選手なんですが、あの潔ぎよすぎるダイビング・ヘッドバット(「一直線」と言うらしい?)は、今日も会場を沸かせています。お茶の間で「こけし」がじわじわ来ているという噂の今なら、間違いなくこの姿も乙女の目線を釘づけに出来るはず……。試合後、「エイエイオー!」と叫ぶ姿を見ながら、はてこの子はいつからこういうキャラなんだろうかと、同窓会でかつての友人に抱くかのような訝しさを拭えないのですが、とにかく大和選手の歌声は聞きたくて仕方がない(本日歌ナシ、残念)今日この頃。ダサカワ中毒が少々後を引きそうです。
チーム中玉+稲葉大樹vsグレート・ムタ、河野真幸、TAJIRIの6人タッグマッチ。第3試合からの流れで、中之上にムタの毒霧(緑)が噴射されるや、暫くは、稲葉が無慈悲なDESPERADOにやられまくる様を見せつけられる。ああ、今日も母心のうずく展開……。と同時に今日はあんまり中之上と児玉の見せ場がなさげでちと寂しい。結果としては、終盤ここぞというタイミングで、コーナー対角の中玉が、ムタとTAJIRIのW毒霧に撃沈され、その流れで稲葉がTAJIRIから3カウント奪うという大金星!やったじゃあん。
つづいて武藤のベルトへの挑戦を賭け、船木、河野とつづけて倒してきたKAIが、2戦2敗中の田中将斗に挑戦する第6試合。頭突きやエルボーの打ち合いの連続はドキドキします。KAIのスプラッシュプランチャによる勝利のあとは、敗れた田中選手のお言葉が素敵でした。お前は俺を倒したんだから、さん付けするな。田中って呼べ。ベルトを取れ。欲しくなったら、俺が挑戦する、とのこと(あのゲキ渋な関西弁を再現できず)。
…というところで、同会場には別の闘いが用意されていました。
プロレス女子仕様のバレンタイン前日企画「LOVEをチョコっと“直”渡し♡ハグ1,2,3!」。そのタイトル通り、きっちりとレフェリーが3カウントをとってくれる(村山大値さんだなんて贅沢ですよね)という、プロレスならではの趣向を凝らしたこのイベント。シャイなハグから抱擁まで、こんなところでも選手の個性は出ますねえ……微笑ましいかぎり。
「すっごい強くギュッとしてくれた!」(征矢選手ハグ後の女性の声より。さすがワイルド!)などなど試合直後の選手以上に全身から蒸気がほとばしっていた乙女たち。黒潮“イケメン”二郎の胸に身をあずけていた女性は「地元が同じで応援しています」との爽やかな回答。また、それぞれ推しメンが異なるグループ客の方々が感想を伝えあう様子は、下校中に同級生を呼び出して告白する友人を見守っていた甘酸っぱい光景を思い出しますね。
全力の試合を観たいのはもちろんですが、デザートは別腹なのが女子というもの。ぜひまた季節のイベントにかこつけたふれ合い企画の開催を祈願いたします!ひと月たてばホワイトデーもあることだし、まずは“お返し”に期待しちゃうなあ。(柄本愛美)