木村がHIROYAを完全KO

 K-1ではトーナメントが終わった階級は王者を軸にワンマッチが組まれていく。この日は今後の−65kg戦線を大きく左右する3試合と−60kg王者である卜部功也の試合が組まれた。

 当初、−65kgトーナメントには出場しなかったものの、実力者として誰しもが認める野杁正明とトーナメントを制したゲーオ・フェアテックスの対戦が予定されていた。しかし、ゲーオが3月の試合で負った額の傷がいえず欠場。野杁はマサロ・グランダーとの対戦となったのだが、1R終盤にマサロのテンカオで右まぶたから出血。2R40秒でドクターストップによりTKO負けとなってしまった。

「−65kg日本人最強決定戦」とうたわれた左右田泰臣vs久保優太。トーナメントではともにゲーオに敗れており、次期挑戦権をかけた戦いでもあった。序盤は距離を詰めての打ち合いが展開されたが、徐々に左右田のヒザが効き始め、3Rには久保に組み付きでの減点1があり、大差の判定で左右田が勝利を収めた。

 1月大会でゲーオを破るという金星をあげ、ただいま絶好調の木村“フィリップ”ミノルとHIROYAの対戦は互いの戦いにおけるポリシーの違いもあって、戦前から激しい舌戦が繰り広げられたが、木村が1Rに3つのダウンを奪ってKO勝ち。試合後のマイクも「今のK-1は階級がいくつもあるんで各階級にスターがいるけど、俺が盛り上げます。K-1復活!」と冴えわたった。

 −60kg王者の功也は準決勝で兄・弘嵩を苦しめたハビエル・エルナンデスと対戦。功也はエルナンデスのローキックに苦しめられたものの、ボディーへのヒザ、左右フックの連打で追い詰める。KOこそできなかったものの、ジャッジ3人が功也に30点をつけ、3−0の判定勝ち。大きな山をひとつクリアした。