2次元で感じる3次元 青山悟展「名もなき刺繍家たちに捧ぐ」

ミヅマアートギャラリー 開催中〜5月23日(土)

 刺繍というメディアの枠を拡張させる作品を数々発表している作家・青山悟の展覧会。青山は、工業用ミシンを用い、近代化によって変容し続ける人間性や労働の価値を問い続けながら、“刺繍”というメディアに対するイメージを刷新させる斬新な表現を生み出してきた。

 今回の新作は、イタリア人アーティスト、アリギエロ・ボエッティ(1940-1994)の地図作品《MAPPA》の制作に携わったアフガニスタンの刺繍職人たちへの興味が発端となったという。

 美術と工芸の歴史や、西洋と東洋を隔てる政治的関係性といったMAPPA》に込められた背景を考察しつつ、青山が今現在、彼にしかできない世界地図を作り上げる。

 世界地図とは一見、普遍的な存在でありながら、常に変化をはらんでいるもの。世界の秩序が大きく変容し、地図上の境界もあいまいになる今日、綴られるのはどんな地図なのか。アフガン難民の女性たちによって制作されたというボエッティの作品が今も何かを訴えているように、青山の作品も、さまざまな問題を抱えた現在の境界線を縫い取っていく。

【時間】11〜19時【休】日月祝【料金】入場無料【問い合わせ】03-3268-2500【交通】地下鉄 市ヶ谷駅より徒歩5分【URL】http://mizuma-art.co.jp/top.php