[地方創生 ×TEAM2020]福岡市から日本を元気に
髙島宗一郎さん(福岡県福岡市市長)

JAPAN MOVE UP!日本を元気に!TEAM2020

地方創生を推進し、日本を元気にするために、各市町村が行っている取り組みを紹介する不定期連載。JAPAN MOVE UPの総合プロデューサー・一木広治がさまざまなキーマンに鋭く迫る集中企画。

一木「髙島市長の就任後、福岡市では立地する企業や観光客、コンベンション開催件数、市税収入が増加するなど、目覚ましい成果が出ています。独自の政策としては、どんなことを?」

髙島「先進的に取り組んだ独自政策というと、まず無料の無線LANの設置。地下鉄の駅や観光施設などで、3年前から無料Wi-Fiを設置しています。いま国は、テレワークやWi-Fiなどを活用して地方のポテンシャルを引き出すための研究会を行っていまして、無料Wi-Fi導入の成功例として福岡市が取り上げられ、私も有識者メンバーとして参加させて頂いています。こういった点にいち早く気づけたのは自分が若い世代の首長だったからかなとも思います。他には、2階建てのオープントップパスを導入して市内観光に生かしたり、『福岡チャンネル』という福岡市の情報を動画で発信するサイトを立ち上げたことも全国的にも珍しいかと思います。サイトでは多彩な情報を扱っていますが、重要な政策をお伝えするときは私が直接、お話しているんですよ」

一木「福岡は地方創生をリードしていく存在ですが、東京都との連携などは意識されていますか?」

髙島「福岡市では次のステージを目指し『FUKUOKA NEXT』というチャレンジを進めているんですが、東京都でも『ネクスト東京』というチームが作られまして。偶然、名前も似ているので(笑)、今後一緒に何かできたらいいね、という話はしましたね。とはいえ根本的には、東京とは別の価値観を示すことが福岡の役割ではないかと思っています。首都でありメガシティーである東京と、アジアに近く国際的でもありながらリバブル、住みやすい街である福岡。それぞれに適した役割があると思うんですね」

一木「出演頂いたラジオ番組の中でもコンパクトシティーならではの魅力を語っていらっしゃいましたね」

髙島「街中に出れば都市型の楽しみもあり、少し郊外に行けば自然も豊かです。他の大都市に比べて生活コストも安いですし、そこまで人口が密集していないので行列もできませんしね(笑)。実際、福岡市は世界で最も住みやすい都市ランキングでベストテンに選ばれています」
一木「人口増加率は全国の大都市の中で1位ですからね。転入者は全国から?」

髙島「そうですね。以前は九州の方がほとんどだったんですが、とくに震災以降は全国からいらっしゃいます。」

一木「人口流出に悩む地方自治体が多いなか、なぜ福岡では人口が増えているのでしょう」

髙島「やはり、仕事があるということが大きいと思います。では、なぜ福岡では雇用がどんどん生まれるかというと、ビジネスコストが安く済むこと、テストマーケティングをするのにちょうどよいサイズの都市であること、そしてプラスαの付加価値が充実していること。企業を誘致できる土地があるだけでは、人はなかなか根付きません。そこで働く人が充実した生活を送ることができる環境が大切なんです。福岡市は、医療機関や教育機関の水準はもちろん文化的水準も高い。人が根付けばマーケットが生まれ、仕事が生まれます。東京から大手の本社機能を誘致してくるより、地元で創業する企業がいくつも生まれるほうが、リアルな雇用につながるんです」

一木「確かにスポーツやコンサートなど、エンターテインメントは多くの人を引き付けます。福岡ソフトバンクホークスは熱いファンが多いですし、工藤公康さんを新監督に迎えて盛り上がっているでしょう」

髙島「優勝してもらえれば経済効果も本当に大きいので、ぜひ頑張っていただきたいですね(笑)」

一木「観光地としても人気ですね」

髙島「温泉もありますし、京都よりも長い2000年の歴史があるんですよ。この観光資源をもっと生かすために、長期的には子供たちへの地域の歴史教育を、中期的には福岡の歴史を感じることができる街づくりを進めるなど、短期中期長期でプロジェクトを進めています」

一木「住む人だけでなく訪れる人も増えているんですよね」

髙島「福岡市では事業所数の9割が第3次産業。ということは交流人口を増やすことが仕事を増やすことになるんです。よって短期的には交流人口を増やして第3次産業を活発にし、中期的には知識創造型産業の育成、そして長期的には支店経済都市からの脱却を目指す。Wi-Fi環境の整備やコンベンションの誘致なども交流人口を増やすためにやってきたことです。その成果として、私が就任する前の平成18年度から21年度までの市税収入伸び率は現在20ある政令都市のうち11位でしたが、就任後の22年度から25年度の決算では伸び率1位になりました」

一木「現段階でも成果を出されているわけですが、市長が思い描いている福岡市の理想像とは?」
髙島「目指しているのは、人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市です。これは、東京より高いビルを建てたいとか上海より人口を増やしたいというようなことではありません。アジア交流の窓口として、多くの人からリスペクトされる理念や価値観に向けて最初の一歩を踏み出せる都市のことなんです。多くの人が住みたいと思う理想郷を徹底的に追求していきたいと思っています」

1974年11月1日生。1997年KBC九州朝日放送に入社。福岡の朝の顔としてワイドショーや環境番組のキャスターを務める。2010年12月に福岡市長就任。都市経営の基本戦略『都市の成長と生活の質の向上の好循環の創出』に沿ったさまざまな施策を展開。特に創業支援に注力し、2014年3月には国家戦略特区を獲得。2014年11月、史上最多得票により再選。同年12月2期目就任。『人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市』の実現に向けて、福岡市を次のステージへと押し上げるためのチャレンジ『FUKUOKA NEXT』を推進中。
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