〈不定期プロレス女子企画 WRESTLE-1観戦記〉黒潮”イケメン”二郎が魅了!走り出したら君が止まらない♪

 6月18日。『WRESTLE-1 TOUR 2015 OUTBREAK』を観戦するため後楽園ホールにやってまいりました!
 本日のお目当ては、セミファイナルの【Road to KEIJI MUTO スペシャルシングルマッチ ~武藤敬司 vs 黒潮“イケメン”二郎】! 吉岡世起選手を倒して【Road to KEIJI MUTO】を制し、武藤敬司選手への挑戦権を獲得した黒潮選手が遂に大立ち回りをしてくれるかもしれません。タッグパートナーでもある船木誠勝選手の指導のもとトレーニングを積み、満を持しての大一番。応援するこちらも昂ります。
 入場曲『HELLO』のイントロからイケメンコールで沸く会場。颯爽と現れ、おなじみのジャケット(いつもながらダサい)姿に手鏡でポーズをキメる黒潮選手の姿がまぶしい! スターのオーラを感じます。なかなかリングインせず焦らされる客席をゆっくりとまわりはじめたと思ったらジャケットを脱ぎ捨てた下にもう1枚ジャケットを着ているというパフォーマンスまで。一挙手一投足が会場中の心をわしづかみにしている今ならきっとイケる! 一方の武藤御大は貫録の佇まい。
 立ち上がり、黒潮選手がトリッキーな動き(?)で魅了した際は武藤選手も半笑いだったように見えたのですが、さておき、即座に関節を狙いに来ます。一気に高まる緊張感! 一瞬で空気を引き寄せつつ、ドラゴンスクリューからの足4の字と極めにかかると客席からはイケメンコールに加え武藤選手へのブーイングが! その声にムっとして締め上げにいく武藤さんのことをちょっと可愛いなと思っていた矢先、黒潮選手が延髄斬りから「ふぃにーっしゅ!」のアラビアンプレスを決めたところで10分経過! 足をかばう姿も心配で、そろそろ畳みかけてくれと思っていると、予告していた黒潮ムーンサルトプレスを炸裂! しかし残念ながらカウント2で返され、結果的には本家のムーンサルトを武藤選手が勝利。
 試合後、丁寧に頭を下げリングを後にする姿、そしてそれを暖かく称える会場の空気もまた素敵でした。
 武藤選手は自身へのブーイングも含め、声援を「判官びいき。パフォーマンスがウケてるだけ。それだけじゃすぐ飽きられる」とバッサリと斬りつつも「彼はもっと引き出しを作れる」と、未来を担う選手の可能性に期待を寄せていまいした。

 黒潮選手は若手のホープなのはもちろんのこと、そのプレッシャーや、チャンスなどを通じた成長が目に見えて結果に出ているし、ひたむきな感じが魅力的。ばっちりエンターテインしてくれますし。「パフォーマンスだけじゃだめ」なのは分かるけど、それだけであそこまで沸くこともないでしょうよ。「名は体を表す」し、それでいて「名は実の賓」。試合内容あってこそのイケメンなので(ちなみに黒潮選手のルックスもかっこいいとは思っています。ただどうしても、“さくらももこ先生のマンガに出てきそうな顔”に見えてしまう)。
 そして、試合後、真っ白になった様子で「日本で出来ることをやりきってしまった気分」と仰っていたのが気になるところ。ただでさえ児玉ロス(※海外遠征中の児玉選手を寂しく思い出す現象)が激しいのに、イケメンまで海外か?と思うと、応援したいけど、切ない。
 本日のWRESTLE-1の開演時刻、袖から現れた黒潮選手がオープニングVTRをじっと見つめる姿を目撃しました。流れているBGM『Where the streets have no name』(U2)には、「名もなき場所で/(愛を築いては)燃え尽きる/そこに行くときは一緒に」というようなフレーズがあるのですが、今宵、名のある大舞台で燃えた黒潮選手。今後も会場で見守りたいと思います。
 どうでもいいけど、黒潮選手は1992年生まれ(つくづく若い)。入場曲の福山雅治『HELLO』って95年のドラマ『最高の片思い』(フジテレビ系)の主題歌ですけど当時3歳ってこと!? もしあの深津絵里さんのカワイさも理解したうえで入場してるなら、なかなかのヤリ手(?)ですぜ。
 今後も大会が続きますが都内では「WRESTLE-1 TOUR 2015 SYMBOL」東京・新宿FACEが7月4日開催。ここで吉岡世起選手が田中稔選手のクルーザー級ベルトに挑戦する模様。今後も楽しみ!(柄本まなみ)