脱こじらせへの道第2回 頭でっかちは「こじらせ」のもと!?
こんにちは、田口桃子です。
6月26日から始まったこのコラム、いったいなんなんだ?と思われている方も多いと思いますが、細かいことは前回の頭の部分を読んでくださればと思います。
そしてすっかり言い忘れていたのですが、このコラムは毎月第2、第4金曜日に更新しますのでよろしくお願いします。
さて、今回は「AVを見るとき、どこを見てる?」というアンケートをもとに「こじらせ」からの脱却の道を探ってみたいと思います。
昨今、女性向けのアダルト動画が多くなったことで、女性も男性と同じように、AVに対し主導権を握り始めています。かつては男性のAVファンに混じってわずかにいた女性ファンでしたが、女性向けAVが一般の人にも広まってきて多くの人が見るようになり、「こういう行為が好き」「こういうシチュエーションが好き」ということに気づき始め、声を上げるようになってきたのがここ1〜2年の状況なんですね。
それを踏まえて、まずはグラフをご覧下さい。
男性の方の中には「ん!?」と思う方も多いかもしれませんね。
だいたい男性にこういうアンケートをする場合は「どんなジャンルのAVが好き?」とか「どの女優さんが好き?」といった聞き方になります。回答もJKとか痴漢とか、紗倉まなちゃんとか明日花キララさんとかになりますね。
アンケートを取るにあたって私は男優→シチュエーション→女優→結合部→その他の順番じゃないかと予想したのですが、蓋を開けてみるとシチュエーションが一番。見事に裏切られました。
シチュエーションというのはドラマ部分のこと。みなさん、感情移入するまでの部分を重視しているということなんですね。
例えば新人女優さんのデビュー作だと、「初めまして、○○です」「初めまして、男優の○○です」って挨拶からいきなり行為が始まるわけですが、これでは感情移入もなにもあったものじゃない。
一方で、男女2人で歩いていて「あのときはゴメンね」みたいな1シーンがあってからのSEXシーンには、「ケンカのあとのセックス」というふたりの関係性を想像して感情移入ができるんです。起承転結とまでいかなくてもよくて、要はAV女優としての仕事としてのSEXなのか、ドラマの中での女優としてのSEXなのか。どういう気持ちでSEXをしているかを知る部分があるかないかで、感情移入に大きな差が出るようです。
実際、女性向けAVメーカーのSILK LABOではドラマものが主流となっていますし、GIRL’S CHのオリジナル作品でもそういったところは意識して作っています。
結合部と答えた方の中には「結合部ばかり見ています」「巨根が好きで…」という回答もあったんですが、これは男性の「巨乳好き」と通じるところがあって、視覚的なものに興奮する人なんでしょうね。男性の見方に近いのかもしれません。
女優さんを見ているという中には大きく分けて3パターンあって、1.体を見てる。こういう体になりたいというあこがれ。2.勉強のため。息遣い、顔、表情などが参考になる。3.女優さんに感情移入して見ている。女優さんのセックスを追体験している。
この2.って男性がAVを見て勘違いしてしまうパターンとちょっと似てません? AVを見てSEXの最後は顔射するものだと思い込んでしまった男の子が「実際にはそんなことしないよ」って言われちゃうパターン。これの女性版とでもいう状況がここに生まれつつあるようです。
ちなみに先日AV監督で作家の二村ヒトシさんと社会学者の宮台真司さんもトークショーの中で、「“SEXはこうあるべきだ” “こうならなきゃいけない” “こうしないといけない”と頭でっかちになってしまって、SEXに没頭できない女性が多くなっているようだ」というようなことをおっしゃっていました。
なので、今回のこじらせ脱却のポイントは「考えすぎない」ということじゃないかと。
こうならなきゃいけない、と意固地になって頭でっかちになっちゃって、かつて「そんなことするわけないじゃん!」ってバカにしていた、ちょっと変わったプレイをしたがる男子と同じ轍を踏むことになりかねない状況がすぐそこまで迫っています。
シチュエーション重視でAVを見る、全然構いません。でもそれは自分の理想とするシチュエーションを考えたり、認めていくためのものであって、「こうあるべき!」というものではありません。そこを押さえておかないと、与えられたシチュエーションに頭の中を乗っ取られてしまいますから。もっと自由に想像力をふくらませて、「こうなりたい」という自分の好きなシチュエーションが描けるようになれば、心と体が合致して「考えすぎ」から生まれるこじらせは回避できるようになるのではないでしょうか。
この「考えすぎる人」と対極にあるのが「巨根が好き」と本能のままに言ってしまえる人。カンフル剤としてたまには「巨根が好き!!」と大声で言ってしまうのもいいかもしれません。もちろん誰もいないところで…。
GIRL'S CHプロデューサー。2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL'S CHの立ち上げに携わる。
以来現在まで、GIRL'S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。
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