巌流島 田村が6年7か月ぶりの復帰戦で秒殺勝利
新格闘技イベント「巌流島」の「Staging tournament公開検証2」が18日、両国国技館で開催された。
大会直前の17日に、ともにこの新格闘技のルール作成などに関わってきたフジテレビのCS放送が中止となるというアクシデントはあったものの、大会は無事に行われた。
メーンでは田村潔司が2008年大晦日の桜庭和志戦以来、実に約6年7か月となる試合に臨み、1R1分2秒、足関節で一本勝ちを収めた。
直前になって対戦相手のムラッド・ボウジディが怪我のため欠場。オランダのキックボクサー、ジョーイ・コピタインとの対戦となったが、百戦錬磨のキャリアを誇る田村は平常心を崩さない。コピタインの右ミドルキックをキャッチしてテイクダウンに成功すると、アキレス腱固め、ヒールホールドと変幻自在のサブミッションでギブアップさせた。
試合後、田村は「僕も45歳になり、すごく45年間やってて、楽しいことももちろんあったんですけど、苦しいことや…楽しいこと、つらいことがありましたが、僕も今日試合をするにあたって不安でした。今日はひとつでもなにか、お客さんに感じてもらえるものを持って帰ってもらいたいと思い、ここに立ちました。今後、ここに戻って来るか分かりませんが…、何か感じてもらいたくて出場しました。ありがとうございました」と挨拶。時折、感極まって涙を流す場面もあった。
60歳の達人 勝利ならず
今大会の柱となっていた「ミドル級トーナメント」はJ.Z.カルバン、ビターリ・クラット、渡辺一久、ジョン・チャンヒョンの4選手が参加。
2月に行われた1回目の公開検証でこのルールへの抜群の適応力を見せた渡辺、HERO’S、DREAMでの活躍で日本にもファンの多いカルバンに注目が集まった。しかし優勝したのはロシアのコンバットサンボをバックボーンとするクラットだった。
クラットは1回戦でカルバンと対戦。カルバンはテイクダウンからパウンド。同体となったものの、試合場から押し出すなど優位に試合を進めたものの、カウンターの右ストレートを食らい尻もち。タックルで逃げようとするが、クラットがパウンド。立ち上がろうとするカルバンにフックの連打で追撃したところでレフェリーが試合を止めた。
渡辺は1回戦でチャンヒョンと対戦。パンチで吹っ飛ばし、早々に転落2を奪うと、チャンヒョンは戦意喪失。パンチでダウンし自ら転落したように見えたが、レフェリーはこれを認めず試合は続行。最後はパンチでカメになったところを渡辺がパンチ、キックでKOした。
決勝は渡辺が組み合いから投げでテイクダウンさせ上のポジションを取るなど先制したが、踏み込んだところにドンピシャのタイミングでクラットがカウンターの右ストレートをボディーに決める。ダウンした渡辺にパウンドを浴びせるとレフェリーが試合を止めた。
クラットはリング上で「コンバットサンボはなんにでも対応できる」と胸を張った。
また古流柔術の渡邉剛と相撲の中島大志の一戦は60歳の“達人”の戦いに注目が集まった。ファーストコンタクトで組み合うもブレイクがかかり、再開後、渡邉がパンチを放つが中島はそれを交わし、左フック。渡邉がダウンしたところでレフェリーが試合を止めた。