ポイントは食物繊維 腸内環境を整えて夏バテ防止
自律神経の乱れからくる体の不調の名医として『世界一受けたい授業』など多くのテレビで活躍中のスーパードクター小林弘幸先生。なんと、順天堂大学の便秘外来は4年待ちというほど。そんな小林先生に、夏バテの原因と、手軽に予防できる食品選びを教えてもらう。
夏バテの原因
「今年は夏バテする人が非常に多いと思います。なぜなら春がなかったから。今年は冬からいきなり夏になったような気候なので、そういう年は夏バテが増えるのです。そうした急激な気候の変化で一番乱れるのが自律神経。気圧や温度などにうまく反応できないんですね。うまく反応できないから乱れる。自律神経は、普通はトータルパワーといって、ある一定の量がないといけないんです。しかしそれよりも下がってしまう。その原因は脱水と睡眠不足。暑いと汗をかいて脱水状態になるし、寝苦しくて睡眠不足になる。この2つが大きな要因なんですね。そして自律神経がやられると、実は一番ダメージを受けているのは腸の動きなんです。どうしても悪玉菌が増える環境になってしまうので、さらに体調が悪くなる。逆にいえば腸内環境を整えることで、自律神経の乱れがなくなり、夏バテの防止ができるというわけです」
腸内環境を整えるのに有効な食品
「まず、よく聞くと思いますが、発酵食品。ヨーグルトや納豆、キムチなどですね。そしてもう一つ重要なのが、食物繊維なんです。発酵食品だけ食べていても腸内環境は良くなりません。大切なのは、食物繊維を一緒にとるということ。食物繊維は成人で1日20gは摂取しなければなりませんが、多分現在は多くの人が10g以下だと思います。第二次世界大戦の時は、日本人は1日30gぐらい食物繊維をとっていたんです。玄米など食物繊維がついた穀類を中心にしていましたから。だからガンも少なかったし、生活習慣病や肥満の人もあまりいなかった。今は男性のガン1位、女性のガン2位が大腸癌です。それはすべて食物繊維不足が原因です。よく、昔と違って現代は肉食になったから肥満が増えたとかいいますが、それは間違い。実際、第二次世界大戦の時と、今はとっている消費カロリーはほとんど一緒なんです。しかし、毎日食物繊維を20gとるのはとても大変。そういう時はコンビニエンスストアで売っている、スムージーなんかでとるのがいいんじゃないでしょうか。野菜をカットしたり、果物をむいたりする手間もありませんし、いつものお弁当にプラスするだけという手軽さは魅力です。また、発酵食品は朝ならヨーグルトに食物繊維が豊富なバナナとかにすれば時間もかからないし、簡単です。そしてお昼は納豆巻きとかサラダを意識してとる。どれも身近な食品ですから、ちょっと意識するだけで、食物繊維も発酵食品もとれますよ。ただどちらかといえば、食物繊維でしょうね。菌はもともと私たちの体にいるものですから、それを食物繊維で善玉菌をちゃんと留めてやるようにすればいいんです」
腸は体のリセット工場?!
「今、糖質抜きダイエットとか、油抜きダイエットとかいろいろありますが、バランスよくとれば、何を食べても大丈夫なんです。要は、腸内環境が良ければ、そこで全部うまく振り分けてくれる。腸内環境が悪いと、硫化水素とかアンモニアとか、そういうものがいっぱい出てくるので、そこにどんな良いものを入れても汚い血液が静脈から肝臓にいって、まず肝臓にダメージを与えて、肝臓から心臓に上がっていって、心臓にダメージ与えます。そして心臓から動脈を通って全身に回るから全身にダメージを与える。腸内環境はいわば工場なんです。工場なので、腸内環境が悪いと、何を食べても、それを栄養のある良いものに作り替えられません。だから基本的に何を食べても一緒。ただ腸内環境を整えるだけでいい。その証拠に今、糖尿病も高脂血症も高尿酸値血症も腸内環境を良くすると治るといわれている。これは実は治るというより、薬が効いてくるということなんです。そのことからも腸内環境がどんなに大切かお分かりでしょう」
1本で、1日分の1/3の野菜118gを使用。ケールや小松菜等の葉野菜にキウイやりんごの果実を加えることで、飲みやすい爽やかな味わいに仕上げた。
グリーンスムージー 200g 165円(税込178円)
定番商品「手巻寿司納豆」。塩味・醤油感を抑えた味付けにすることで、納豆本来のうまみをより感じられるようにした。
手巻寿司 納豆 120円(税込130円)
カットされている上、洗わずに食べられるので、簡単に食物繊維を摂取することができる。
ミックスサラダ 109円(税込118円)/彩りグリーンサラダ 146円(税込158円)(写真左から)
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