ZST.47 フライ級王者・伊藤が初防衛
総合格闘技の「ZST.47」が23日、東京・ディファ有明で開催され、メーンで行われた「フライ級タイトルマッチ」で王者・伊藤盛一郎が挑戦者・矢島雄一郎を3R3分51秒、TKOで破り、初防衛に成功した。
ZSTの新世代ファイターとこれまでZSTを支えてきたベテランの対戦という図式となったこのカード。1Rに伊藤のミドルキックが2度ローブローとなるアクシデントに、客席も一気にヒートする。しかしそんな空気の中でも矢島はベテランらしい落ち着いたファイトを展開。伊藤がパンチからのタックルでテイクダウンを奪うが、すぐに立ち上がり、追撃を許さない。2Rにはその立ち際の伊藤のスキを突いてスタンドの肩固めを決めるなど、渋いファイトで伊藤をヒヤリとさせる。3Rになると矢島の左ジャブが伊藤の顔面を捕らえ始め、伊藤の顔がのけぞる場面もあった。
しかし伊藤は徹底的に得意のタックルを繰り出し、テイクダウンを奪うと細かいパウンドで矢島を削っていく。そして3R中盤、勝負をかけた矢島がパンチの連打で攻め込むと伊藤は一瞬ダメージをもらったものの、すぐに同じようにパンチを連打。逆に矢島をダウンさせるとパウンドの連打。伊藤の足をつかみなんとかしのごうとする矢島になおもパウンドの雨を降らせると、レフェリーが試合を止めた。3R3分51秒、TKOで勝利を収めた。
この日、次期挑戦者の有力候補である坂巻魁斗が木内崇雅を判定で破り本線デビュー以降の連勝を「4」に伸ばした。
しかし伊藤は試合後のマイクで「フライ級のベルトを狙っている選手が何人かいると思うけど、判定勝ちしているようじゃまだまだ。もっと経験を積んで上がってほしい。あんまり舐めないでほしいです。もしやるならば徹底的に叩き潰します」と強い口調で語った。フライ級戦線の今後の展開に注目が集まる。
セミファイナルではバンタム級王者の柏﨑剛がオーストラリアのティレル・ホーガン相手に初の国際戦に臨み、2R3分5秒、スリーパーホールドで一本勝ちを収めた。
1Rからタックルからのテイクダウンを決め、パウンドで優勢に試合を進める柏﨑。ホーガンがロープをつかんでしまいテイクダウンできないとみるや、逆方向にリフトしてテイクダウンするなど、落ち着いた試合運びを見せる。
2Rにはマウントを奪うや強烈なパウンド。なんとかしのいだホーガンが体を起こしたところでバックを奪うや一気にスリーパーホールドを決めた。
柏﨑は「本戦に出ている選手、格闘技は遊びじゃないんで、もうちょっと本気になってください。てっぺんで待ってます」と挑戦の名乗りをあげてこない他の選手を挑発した。