見逃したくない名作『少女仮面』新宿梁山泊

 旗揚げ以来、テント、劇場とさまざまな空間で国内外を問わず公演を重ねる新宿梁山泊。
 主宰で演出も務める金守珍が唐十郎の状況劇場で役者として活躍していたことから唐作品との親和性が高く、唐作品も多く上演してきた。

 そんな彼らが今回手がけるのが『少女仮面』。1969年に初演された唐の代表作ということは言うに及ばず、当時、主人公の春日野を演じた李麗仙にとっても自身を語る上で欠かせない代表作だ。

 春日野はかつての宝塚の大スター。その隠れ家でもある地下の喫茶店「肉体」に宝塚のスターを目指す少女・カイが老婆と一緒に春日野を訪ねやってくる。春日野に見初められ演技指導を受けるカイ。そのうちに戦争時の記憶がよみがえった春日野は徐々に正気を失っていく…。

 実在したスターをモチーフに戦後、そして老いを唐独特の切り口で描いた作品。
 若いファンにとっては李はテレビで見かけることの多い女優かもしれないが、舞台上の李はテレビで見るそれとは明らかに違う存在感を見せつける。せっかくだから見ておいてほしい作品。

【日時】9月30日(水)〜10月7日(水)(開演は平日19時、土14時/19時、日14時。火は14時の回あり。千秋楽は14時開演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)【会場】ザ・スズナリ(下北沢)【料金】指定席 前売4300円、当日4800円/ベンチシート(整理番号付き自由席)前売3800円、 当日4300円/学生(ベンチシート)前売・当日共3000円(要学生証提示)【問い合わせ】新宿梁山泊(TEL:03-3385-7971[HP]http://www5a.biglobe.ne.jp/~s-ryo/)【作】唐十郎【演出】金守珍【出演】李麗仙、金守珍、 三浦伸子、渡会久美子、広島光、小林由尚、申大樹、 島本和人、加藤亮介、松山愛佳(文学座)、鴨鈴女(南河内万歳一座)