クオリティーの高い戯曲に“できる”役者たちが揃えばつまらないわけがない 城山羊の会『水仙の花 narcissus』
城山羊の会はCMディレクターの山内ケンジ脚本、演出による演劇プロデュースユニット。その作品は人間関係を鋭く、そして軽妙に描く大人の会話劇。淡々としたリズムからズバッと切り込んできたり、物語を予想を大きく越える方向にさらりと展開したりという独特の作風が病みつきになる。
CMディレクターとしてもいまだに最前線で活躍する一方、今年は昨年上演された『トロワグロ』で「第59回岸田國士戯曲賞」を受賞するなど、劇作家・クリエイターとして今まさに脂がのっている状態。
今作について、山内が言うには「最近、世の中が嫌な感じなので、なぜそんなに嫌な感じがするのかを抽出して書いてみたい」とのことで「自分本位で自分のことしか考えてない人たちが、たくさん出てくる作品」という。とはいっても抽出された“嫌な感じ”がそれで終わるわけではもちろんなく、“面白さ”に変換されて舞台上に提出される。
ちなみにタイトルにある「narcissus」というのは、水に映った自分の姿に恋して溺死したというギリシャ神話に登場する美少年の名前。「ナルシスト」の語源となっているもの。
今から、なにやら真剣な滑稽さや噛み合わなさが目に浮かびニヤニヤしてしまう。
5年前に『微笑の壁』で絶妙なフィット感を見せた吹越満が、それ以来の出演。こちらもニヤニヤに輪をかける。
【日時】12月4日(金)〜13日(日)(開演は19時30分。水土日は15時の回あり。※千秋楽は15時の回のみ。月曜休演。【会場】三鷹市芸術文化センター 星のホール(三鷹)【料金】全席自由 日時指定・整理番号付 前売3200円、当日3500円/高校生以下1000円(前売・当日とも)/早期観劇割引(4〜6日)・平日マチネ割引(9日15時)各500円引き【問い合わせ】三鷹市芸術文化センター(TEL:0422-47-5122=10〜19時。月曜休館 [劇団HP] http://shiroyaginokai.com/ )【作・演出】山内ケンジ【出演】吹越満、松本まりか、安藤輪子、島田桃依、重岡漠、金子岳憲、岡部たかし、岩谷健司