絶望とか鬱屈の先に何が見える!? ナイロン100℃ 43rd SESSION『消失』
2004年に初演されたKERAの最高傑作の一つともいわれる作品が、ナイロン100℃の大倉孝二、みのすけ、犬山イヌ子、三宅弘城、松永玲子に客演の八嶋智人というオリジナルメンバーが揃っての待望の再演。
舞台は近未来の地球のどこか。もっというと、ひょっとしたらもう終わりかけているのかもしれない世界のどこか。時はクリスマスの夜から大晦日までのお話。クリスマスの夜にパーティーの計画を練る兄弟のもとに、弟が想いを寄せる女、謎の闇医者、兄弟の部屋を間借りしたいという女、ガスの点検に来たという男が訪れる。そして何かを失ってしまった6人によって、とりとめのない会話が繰り広げられる。
前半こそ、いつものKERAらしい軽妙な空気で進んでいくのだが、後半にいくにしたがってシリアス度が増していき、やがてタイトルに込められた意味が徐々に分かってくる。
KERAは「2004年当時はまだ世の中はマシだった。今のような弱ってしまっている状況でこんなに救いのない芝居を上演することはかなり酷であることは承知のうえでの再演」という。
演ずる側、見る側とも意識も取り巻く状況も11年経って随分変わった。みんなが上演後にどんな感想を持つのか、興味深い作品だ。
【日時】12月5日(土)〜27日(日)(開演は火水金19時、木14時、土13時/18時、日13時。※5日(土)と6日(日)は18時開演。23日(水)は13時開演。月曜休演。【会場】本多劇場(下北沢)【料金】全席指定 前売・当日共6900円/限定ステージ料金(8・9・11・15・16・18日19時の回)全席指定6400円(当日・前売共)/学生割引券4300円(前売のみ/チケットぴあのみ/劇場受付にて学生証提示)【問い合わせ】キューブ(TEL:03-5485-2252=平日12〜18時 [劇団HP] http://www.sillywalk.com/nylon/ )【作・演出】ケラリーノ・サンドロヴィッチ【出演】大倉孝二、みのすけ、犬山イヌコ、三宅弘城、松永玲子/八嶋智人