Krush.61 堀尾が-55kg王座を初防衛 -58kg王座決定戦は神戸vs小澤に決定
立ち技格闘技の「Krush.61」(4日、東京・後楽園ホール)のメーンでKrush -55kgタイトルマッチが行われ、王者・堀尾竜司が挑戦者のハキム・ハメッシュを3R2-0の判定で破り、初防衛に成功した。
ハメッシュは7月のK-1で武尊と対戦し判定負けを喫したものの、最後まで武尊を苦しめた実力者。堀尾はその強豪にKOで勝つことが「大きなアピールになる」とこの一戦に臨んだ。
しかしハメッシュは1Rから重い右ストレートにフック、ヒザ蹴りで堀尾を追い込む。堀尾はカウンターの飛びヒザでいったんはその猛攻を食い止めるが、ハメッシュは体勢を立て直すと再び重いパンチで堀尾を追い込んでいく。堀尾は早い段階で鼻血を出すなど苦しい展開に。
2Rもハメッシュの猛攻は止まらない。しかし堀尾も前蹴りやボディーへのパンチから顔面への攻撃につなげるなど、攻撃の組み立てを変え、徐々に反撃に移る。そして迎えた3R。堀尾は前蹴りからボディーブローにヒザ蹴り、そして左ミドルと攻め立てる。ハメッシュも相変わらず強烈なパンチを放つものの、勢いは堀尾に。残り40秒で堀尾はハメッシュをコーナーに詰めラッシュをかける。なんとかしのいだハメッシュだが、ここまで再三蹴り足をキャッチしたことにより減点1が課せられてしまった。再開後、2人は激しく打ち合うもゴング。判定となったが29-28、29-28、28-28の2-0で堀尾が勝利を収めた。
堀尾は試合後「KOすると言っていたのにギリギリの勝ちで申し訳ありません。でもずっとKrushを見てきたみなさんのおかげで勝つことが出来ました。この歓声を受けた分、恩返しできるようにKOで勝ちます」と挨拶。会見では「ハメッシュ選手にはいままでにないやりにくさを感じました。全然、イメージしてた動きができなくて、みなさんに喜んでもらえるような試合にならなかった。反省点がいっぱいなので、あとで勉強したい。倒せなかったのもそうなんですが、自分が練習してきたことをやるのが楽しみだったんですけど、ほとんどできずに終わってしまったので、もの凄く悔いが残りました」と試合を振り返った。
しかし「デビューして4年経つんですけど、1年間負けなしなのは今年が初めて。その年にチャンピオンになって、防衛戦もできて、もの凄く充実した成長できる1年でした。来年は今日の反省点を消化して、しっかり練習して、悔いの残らないような試合をやっていきたい」と来年への抱負を語った。
セミファイナルでは武尊が返上したKrush -58kg王座の決定戦への出場権をかけ神戸翔太と大滝裕太が対戦。2-0の判定で神戸が勝利を収めた。
2人は過去2度対戦し、神戸が2連勝。三度目の正直を狙う大滝は序盤から積極的に仕掛け、パンチの連打で神戸を追い込むが、立て直した神戸は重いボディーフック、ミドルキックで反撃。神戸は2Rもボディーフックからの顔面へのパンチを的確に決め、主導権を握る。大滝もパンチの連打で反撃するのだが、神戸のボディーからの攻撃で勢いを止められてしまう。3Rは大滝もボディーブローからの左フックなどボディーへの攻撃を繰り出す。神戸も呼応し激しい打撃戦を繰り広げたままゴング。小差の判定だったが神戸が勝利を収めた。
神戸の相手となるのが、今年1年間激闘を繰り広げてきた「Krush -58kg WILDRUSH League 2015」の優勝者。この日は最終戦2試合が行われ、小澤海斗が3勝1敗1分けの勝ち点9で優勝。
「Krush.63」(2016年2月5日、東京・後楽園ホール)で行われる王座決定戦は神戸vs小澤で行われることとなった。
またこの日は-60kgスーパーファイトで山本真弘と闘士が対戦。
山本は8月の「Krush.56」でレオナ・ペタスに判定で敗れるなど、Krush復帰以降4勝3敗1分けと結果が残せていない。対戦カード発表会見でも闘士に「真弘選手は“スピードスター”じゃなくて“元スピードスター”。間違いなく今の俺の方が強い」と挑発されるなど、かつての輝きを失っている状態だ。
山本は試合開始から切れのある左のインローを放つが、闘士はパンチの連打から右ミドル、右ストレートで反撃。山本が放った左ミドルにカウンターの左フックを合わせると山本はダウン。立ち上がることができず、闘士が1R2分15秒でKO勝ちを収めた。