みんなで楽しむ「日本酒」2015ミス日本酒 小川佐智江さんが語る日本酒の魅力

 国内外で日本酒と日本文化のPR活動に取り組んでいる「2015ミス日本酒(Miss SAKE)」の小川佐智江さん。これまで前年度のミス日本酒・森田真衣さんと合わせると、2年間で12か国17都市を訪問したほか、国内では日本酒のイベント、蔵元の訪問、日本文化にかかわるイベント、表敬訪問などを合わせて1年間で約200件ものイベントや行事に出席。そもそもミス日本酒に応募したきっかけはなんだったのか。

「母の知人からこのコンテストのことを聞き、興味を持ったのがきっかけです。もともと父の影響で日本酒がとても好きだったということもありますが、東京農業大学を卒業したことも大きく関係していると思います。ご存知のように東京農大には醸造科学科がありまして、その学科の友人を通じて作り手さんの思いですとか、文化的な魅力を感じていました。ミスコンテストは初めて応募しましたが、それは単に美を競うだけではなく、日本酒に携われる、そして日本文化を広める活動ができるというところに大変興味を持ったので、挑戦してみたいと思いました。ミス日本酒になってから、伝統的なものとして華道を習い始めたり、ある程度着付けはできたのですが、振袖の着付けや華やかな帯結びのやり方を改めて習いました。海外に行った時に着物でイベントなどに出席するとみなさんとても喜んでくださいますし、私自身一番艶やかな民族衣装だと誇りを持っていますので、そこがアピールできればいいなと思っています。振袖で新幹線や飛行機に乗ることもあり、移動は大変ですけど(笑)」

 これまでで思い出に残っている活動は?

「すべてですけど、日本では田植えは楽しみな活動のひとつです。山口県で食米、京都で酒米の田植え、そして稲刈りをしました。東京農大の出身なので、美しい自然の中で作業ができるのは、とても楽しい。両手いっぱいの稲穂の束でどれだけの日本酒ができるのだろうと考えると、改めて日本の自然が育てた米と水でできる日本酒のありがたさを感じました。また、海外ではハワイの「JOY OF SAKE 」が印象に残っています。海外発の最大級の日本酒イベントなんですが400種類近い日本酒が海外に集まって、それを目当てに何千人という人が集まる。日本でもこんなに大規模な日本酒イベントはなかなか見当たらない規模で、とても驚きました」。日本の伝統文化を世界に伝えるということが夢で、現在ミス日本酒としてその夢を叶えているという小川さん。今後も日本酒の魅力をさらに堀り下げ、日本の文化を広げる活動を続けていくという。

日本酒を語る時に知っておきたい“超”基礎用語

 清酒の要件を満たしたもののうち、原料や製法が一定の基準を満たす特定名称を表示した清酒を特定名称酒という。この特定名称酒は、原料や精米歩合により、本醸造酒(ほんじょうぞうしゅ)、純米酒(じゅんまいしゅ)、吟醸酒(ぎんじょうしゅ)に分類。さらに本醸造酒、特別本醸造酒、純米酒、特別純米酒、吟醸酒、純米吟醸酒、大吟醸酒、純米大吟醸酒と細かく分類され、8種類が特別名称に決められている。

【本醸造酒】精米歩合が70%以下の制限があり、使用原料は白米、米麹、醸造アルコール、水。香味、色沢が良好なものにその名称を用いることができる。

【特別本醸造酒】本醸造酒のうち、香味及び色沢が「特に良好」なもの。

【純米酒】精米歩合の基準はない。使用原料は白米、米麹、水。醸造アルコール、糖類は無添加。香味及び色沢が良好なもの。味が濃く、芳醇な味わいが特徴。また蔵ごとの個性が強いと言われている。

【特別純米酒】純米酒のうち、香味及び色沢が「特に良好」なもの。

【吟醸酒】精米歩合60%以下の制限があり、使用原料は白米、米麹、水、醸造アルコール。吟味(突破精麹、もろみの低温長期発酵、粕歩合が多い、長めの熟成期間)して造られた、いわゆる吟醸造りの手法で醸された酒。独特のフルーティな香りと、淡麗な味わいが特徴。

【純米吟醸酒】醸造アルコールを添加せず、米、米こうじ及び水のみを原料として製造。白米の精米歩合が60%以下の制限あり。吟醸造りで固有の香味、色沢が良好なもの。

【大吟醸酒】精米歩合50%以下の白米使用で、吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好で醸造アルコールも規定量以下の使用の酒のこと。吟醸香が高く優雅で気品にあふれた風味が特徴

【純米大吟醸酒】精米歩合50%以下の制限があり、吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好なもの。醸造アルコール、糖類は無添加。