2016年、渋谷からTOKYOが変わる!? 長谷部健さん(東京都渋谷区長)

地方創生 ×TEAM2020 渋谷から日本を元気に
日本を元気にするために、各市町村が行っている取り組みを紹介する不定期連載。JAPAN MOVE UPの総合プロデューサー・一木広治が、さまざまなキーマンに鋭く迫る集中企画。新年1回目は渋谷の若きリーダー、長谷部健 渋谷区長が登場。東京随一のメジャースポットにして、東京カルチャーをけん引する渋谷が目指す理想像とは。
マイノリティーへの寛容さは成熟した都市の必須条件、と長谷部区長。2020年に向けて渋谷区としてパラリンピックを盛り上げたいと語る。
—2016年の渋谷区の重点政策をお聞かせください。

「2016年度の政策についてはまだ具体的なお話はできないのですが、いろいろなことがスタートする年になるだろうと思います。例えば、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて宮下公園が新たな都市型立体公園として生まれ変わることが決まりました。2016年からその整備事業が始まってくると思います。他にも、2002年まで道玄坂と文化村通りで行われていた歩行者天国を復活させようというアイデアがありまして、検討し始めたところです。子育てについてもハード面の充実に加え、幼児教育についての質も高めていくことができればと思っています。変化していく社会に対応するためにも、柔軟な発想や応用力、創造力といった力を引き出す教育が、幼児に限らず重要。その指針は渋谷区の教育大綱にも盛り込んでいます。このように2016年はいろいろなことが変わるきっかけの年になると思います」

—パートナーシップ証明をはじめ多様性を尊重する街づくりを進めておられます。障がい者へのサポートやパラリンピック支援について渋谷区の取り組みを教えてください。

「渋谷区では、国立代々木競技場でウィルチェアー(車いす)ラグビーとバドミントンが、東京体育館で卓球が開催される予定なので、それらの種目を中心にパラリンピックをしっかりと応援していくつもりです。障がい者をサポートするだけでなくマジョリティーの意識を変えることも重要です。パラリンピアンの話を聞くと、世界の中でもロンドン大会が最高だったと言う方がとても多いんですね。ロンドンのマジョリティーが持つ意識や街としてのホスピタリティーが素晴らしかった、と。マイノリティーに寛容であることは、成熟した都市の条件だと思います。ロンドンを一つのベンチマークに、渋谷区なりにパラリンピックを盛り上げていきたい。それにはまず多くの人にパラリンピックの試合を見てもらいたいと思っています。私もそうでしたが、彼らアスリートのプレーを実際に見たら感動せずにはいられません。障がい者支援といってもどう手を貸したらいいか分からないという人は多いと思います。でもスポーツを通して感動を分かち合うことで“一緒にやる”ことが大事だと気づくと思うんですね。そういう意味でもパラリンピックは、障がい者に対する意識を変える、一つのきっかけになるはずです。今考えているのが、スクランブル交差点でパラリンピック種目のデモンストレーションができないかな、と。あそこは海外の人にも知られた場所ですし、YouTubeにアップしたりすれば、多くの人の注目を集めるはず。そのように渋谷の持っているリソースをうまく活用しながら、パラリンピックや障がい者に対する意識を高めていきたいと考えています」


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