サッカー天皇杯 G大阪が2大会連続5度目の優勝

 第95回天皇杯サッカーの決勝が1日、東京・味の素スタジアムで行われ、ガンバ大阪が2−1で浦和レッズを破り、2大会連続、前身の松下電器時代を含め5度目の優勝を果たした。

 昨季はJ1リーグ、ナビスコ杯、そしてこの天皇杯と国内3冠を達成したG大阪だが、今季はJ1リーグ、ナビスコ杯と準優勝。もどかしい戦績が続く中で迎えた決勝だった。

 宇佐美、倉田といった個人で局面を打開できる選手を擁するG大阪に対し、浦和はボールを支配し、組織力で勝負するチーム。しかし攻撃の要となるMF柏木が12月29日に行われた準決勝・柏戦で左ひざを負傷し途中交代。その動向が注目されていたが、柏木の名前はサブの中にもなかった。

 前半から攻勢に出たのはG大阪。32分に右サイドでボールを奪った倉田がDFの裏、パトリックにパス。パトリックがドリブルで持ち込みペナルティーエリア内に入ると右足でゴールを決めた。

 先制された浦和だったが、その2分後にはルーズボールを拾ってシュートに結び付けるなど、すぐさま反撃。36分には右サイドからの梅崎のクロスを李がダイビングヘッド。惜しくもポストをたたくが、跳ね返りを興梠が左足で叩き込みすぐさま同点に追いつく。

 42分にはG大阪のパトリックがヘディングでゴールネットを揺らすもオフサイド。しかしキレキレの動きで浦和DFを翻弄する。そして迎えた後半8分、G大阪は遠藤の右コーナーキックをパトリックがDF槙野と競り合いながらも巧みにマークを交わして、フリーになるや右足でボレーシュートを決め2−1と勝ち越した。
 浦和は21分に梅崎、武藤に代え一気に関根とズラタンを、24分には宇賀伸に代え高木を投入。高木が左サイドから再三クロスを上げ好機を演出するが、ことごとく枠を外してしまう。38分には高木の右CKのこぼれ球を槙野が押し込むが、その前の那須のプレーがファウルを取られ幻のゴールとなり、あと1点が届かない。

 4分と長めのアディショナルタイムでも浦和は高木が左サイドから再三チャンスを作るも東口の好セーブに遭い、2−1のまま試合終了となった。

 G大阪の長谷川監督は「もっと素直にうれしさがこみ上げるかと思っていたが、意外とホッとした感じのほうが強い。主要タイトル3つとも2位だったら立ち直れないなと(笑)。10個シルバーを集めても金にはならないんで。金色のメダルを最後に取れたのは、選手とスタッフがひとつになって戦った結果」と振り返った。