今年は春から池袋『夫婦』ハイバイ

©平岩享

 作・演出の岩井秀人が描く作品は引き込もり、家族ゆえに起こるさまざまな問題、不倫愛などといった、人間関係の綾とかこじれから発生する物語が多い。

 そのどれもが生々しく、時代をえぐるものになっているのは、引き込もりのように岩井自身で経験したことや、不倫のように体験者に綿密な取材を行った末に描かれたものだから。

 そんな岩井が今回取り上げるのは「人生の仕舞い方」。これは一昨年、実父の死に直面し、その時に長年連れ添った母と父の知らなかった関係性を知ったことがきっかけ。悪かったはずの父と母の仲が、父の容態が悪くなるにつれて日々溶解していく。そんな様子を見て、他人だった夫婦がどのようにして始まって家族になり、そして別れることになるのか、といった多くの人が体験する現実を描こうと思ったという。

 そんな夫婦の物語の半面、父は外科医であり、最新の手術を受けたにもかかわらず、医療ミス的な原因で死んでしまったことから、無念さややるせなさといったものを嫌でも感じさせる作品となっている。

 最近は舞台ばかりでなくドラマ、映画などでもその個性をいかんなく発揮中の山内圭哉がハイバイ初登場。

【日時】1月24日(日)〜2月4日(木)(開演は平日19時、土日14時/18時。※28・2・3日は14時の回あり。4日(木)は16時開演。26・1日休演。開場は開演20分前。当日券は開演40分前)【会場】東京芸術劇場 シアターイースト(池袋)【料金】前売(前半割=24、25日)3300円、当日3800円/前売3500円、当日4000円/学生 前売・当日共2500円(受付にて要証明)/高校生 前売・当日共1000円(前売は東京芸術劇場窓口のみ販売、要証明)【問い合わせ】ハイバイ(TEL:080-6562-4520=10〜20時 [HP] http://hi-bye.net/ )【作・演出】岩井秀人【出演】山内圭哉、岩井秀人、平原テツ、川面千晶、鄭亜美、田村健太郎、高橋周平、猪股俊明、菅原永二