Krush.64 寺戸が-55kgのベルト奪取 -63kg王座決定戦は佐々木vs平本に

寺戸(右)のパンチがヒット(撮影・蔦野裕)

 立ち技格闘技「Krush.64」(3月20日、東京・後楽園ホール)のメーンで行われた「Krush -55kgタイトルマッチ」で挑戦者の寺戸伸近が3-0の判定で王者・堀尾竜司を破り、第5代王座に就いた。
 試合は1Rから寺戸が右ローキックでペースを握る。堀尾は前蹴り、ミドルで反撃するが、寺戸はパンチの連打にローキックと打ち分け、主導権は渡さない。
 2Rになっても寺戸のローキックは止まらない。堀尾は飛びヒザを見せるも、寺戸は下がって交わすと着地際にパンチの連打を合わせ、そこから激しい打撃戦に。3Rも寺戸はしっかりガードを固め右ローの連打から攻撃を組み立てる。判定では分が悪い堀尾はプレッシャーをかけロープに詰めるが、そこで寺戸が不意を突く飛びヒザ一閃。モロにアゴに食らった堀尾はダウン。一瞬あっけに取られた堀尾だったが、ダメージは小さかったようで失点を取り返すべくラッシュをかけるが、寺戸は下がりながらも随所でカウンターのパンチを繰り出し、しのぎ切った。

ついにKrushのベルトを奪取(撮影・蔦野裕)

 寺戸はリング上で「5年間お待たせしました。ついにこのベルトを巻きました。今日勝てたのも皆さんの応援の後押しがあったから。みなさんの笑顔が見たくて勝てました、ありがとうございます」とファンに挨拶。そして試合後の会見では「負けたら引退も考えなきゃいけなかったので、勝ててうれしい。相手が飛びヒザをやってくると思っていたので『目には目を』じゃないですけど、俺も当ててやろうと思っていた」と試合を振り返り、今後については「Krushのチャンピオンであるので、そのへんはしっかり意識しながら、もう1個欲しいベルトがあるのでそれを目指します。(欲しいベルトは)1個しかないでしょ」と武尊の持つK-1-55kgのベルトへの意欲を見せた。
 一方、堀尾は「今までで一番落ち着いていた。3Rに自分にミスがあった。悔しい。俺のほうが全然いい試合運びができていたし、調子も良かった。同じように狙っている試合運びをしている者同士の中で、一発を当てるタイミングなどが寺戸選手が上だったのではないかと思う。ベルトを失った寂しさはより試合に負けた悔しさのほうが大きい。これからリベンジの気持ちでまたやり直し」と話した。

 この日は「第4代Krush -63kg王座決定トーナメント」の準決勝2試合が行われた。佐々木大蔵vs南野卓幸は佐々木のセコンドに前王者の山崎秀晃、南野のセコンドに初代王者の梶原龍児がつくというなんとも趣のある戦い。一進一退の攻防が続いたが、佐々木が的確なローキックで南野の突進力を止め、打ち合いでは3Rに南野が鼻血を出すなど着実にポイントをあげた佐々木が3-0の判定で勝利を収めた。
 泰斗vs平本蓮は、2Rに泰斗の右ミドルに平本が左フックを合わせ先制のダウンを奪う。反撃に出た泰斗だったが、パンチの連打で勢い余ってバランスを崩し背中を向けてしまった際に、平本が冷静に左フックを見舞い2度目のダウンを奪った。後がない泰斗は“大泰斗コール”の中、3Rは前に出て打ち合いに臨むが、平本は足を使って攻撃を交わしてはカウンターで迎撃。最後まで付け入る隙を与えず、大差の判定で勝利を収めた。
 決勝は佐々木大蔵vs平本蓮。「Krush.66」(6月12日、東京・後楽園ホール)で行われる。

【写真左】平本(右)と泰斗のパンチが交錯 【写真中】佐々木(左)が判定で南野を破る 【写真右】-58kg、注目の一戦は朝久裕貴が佐野天馬に3-0の判定勝ち(撮影・蔦野裕)