新しいスタートにフィットする音楽。『Weezer(White Album)』Weezer
エモーショナルな世界観とギターを最初に手にしたときの「自分にはコレしかないんだ」感。米バンドのヴィーザーはバンドとして音楽シーンに頭角を表す前からその精神を貫き続けてきたような気がする。弾ける気持ち、はちきれんばかりに心の内で膨らんだ気持ち、どうにもならない感情、そんなものをロックミュージックに載せて綴り多くのファンの心を揺さぶっているのだ、今も。それゆえに、90年代に同じように青春を過ごした人、そしてそれ以降はメンバーより若い層に支持されてきた感がある。それがこの最新作、少し様子が違うようだ。
『ブルーアルバム』と呼ばれるファースト、セカンド『ピンカートン』という彼らの代表作の雰囲気を確実に感じさせつつも、年齢も経験も経た今、今の自分たちだからこそのウィーザーを聴かせる。それが同様に時間を過ごしてきた人に響く。ブルーアルバム、グリーンアルバム、レッドアルバム、そしてホワイトと4枚目のセルフタイトル作。彼らの気合が満ちあふれている。
[ROCK ALBUM]ワーナー 発売中 1980円(税別)