4・10「Krush.65」中島が-70kg王座陥落 KANAが第2代女子王座獲得

ピケオー(左)のパンチで中島がダウン(撮影・神谷渚)

 立ち技格闘技「Krush.65」(4月10日、東京・後楽園ホール)のメーンで行われた「Krush-70kgタイトルマッチ」で王者・中島弘貴が挑戦者ジョーダン・ピケオーに3R判定で敗れ、2度目の防衛に失敗した。ピケオーは第4代王者となった。

 1Rからプレッシャーをかけ前に出て左ロー、右ストレートに飛びヒザと多彩な攻撃を見せるピケオーに対し、中島もローキックにボディーブローを効かせ、中盤には右フックでぐらつかせるなど一歩もひかない戦いを見せる。しかし徐々にパワーで勝るピケオーが押し込み始め、ラウンド終了間際に中島をコーナーに追い込むと左ストレートを振り抜きダウンを奪う。
 2Rもピケオーの猛攻が続くが、中島もハイキックを放つなどダメージは小さい様子。しかしピケオーの手数が多く、なかなか突破口を見いだせない。やや攻め疲れた部分もあったピケオーだったが、3R開始前にピケオーのセコンドがマウスピースの装着に手間取りなかなかゴングが鳴らず、ここでピケオーが蘇生。中島も必死の反撃を見せたが、やはりここでもピケオーが優位に試合を進め、30-28、30-26、30-26と圧倒して判定勝ちを収めた。

KANA(右)のハイキックがズバリ(撮影・神谷渚)

 セミファイナルでは朱里が返上し空位となった「第2代Krush女子王座決定戦」が行われ、KANAが3R3-0の判定で紅絹を破り第2代王者に輝いた。
 KANAは昨年9月のプロデビュー以来、3戦3勝3KOというパーフェクトな成績でここに上がってきた。
 紅絹は44戦のキャリアを誇るベテランで元J-GIRLSミニフライ級王者。パンチが得意な攻撃型のファイターでこれまで1度も倒されたことがないという打たれ強さを持つ選手。キャリアの浅いKANAにとっては難敵だ。
 身長で12センチ小さい紅絹は1Rから果敢に飛び込み打ち合いに持ち込む。時折バックブローを挟むなど変幻自在の攻撃。KANAの右ハイキックもしっかりガードし、ペースを握らせない。
 一方のKANAは身長差を生かし、遠めではロー、ミドル、ハイを使い分け、接近してはヒザを放つなど多彩な攻めを見せる。
 2Rに紅絹が右フックでMANAをぐらつかせる場面もあり、紅絹が優勢のなかで迎えた最終3R。2Rの勢いそのままにパンチを出し続ける紅絹。しかしKANAのパンチも当たりだし、ハイキックもガードの上からでもダメージを与え始める。
 明らかな攻勢点が欲しい紅絹はパンチを放ち前へ出るが、そこにKANAの狙いすました左ハイキックがカウンターで決まり、紅絹がダウン。結局このダウンが勝負を分け、KANAが29-28、29-28、29-27の小差で判定勝ちを収めた。
 KANAは試合後のリングで「これからの女子の格闘技は自分が引っ張っていきます」力強くアピールした。

【写真左】-53kg王座決定トーナメント準決勝は武居由樹(右)がKO勝利で決勝へ進出 【写真右】西京春馬(右)はミドルキックで貴章をKO(撮影・神谷渚)